要介護認定者であっても、訪問看護が医療保険で提供される疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
要介護認定を受けている方が訪問看護を利用する場合、原則として介護保険が適用されます。しかし、特定の疾患や状態にある場合は、医療保険が優先して適用される特例があります。これには、厚生労働大臣が定める『疾病等』が含まれ、多発性硬化症はこの『指定難病』に該当するため、医療保険での訪問看護が可能です。他にも、がん末期、急性増悪、人工呼吸器使用などの特別な管理を要する状態も医療保険優先となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖尿病は一般的な慢性疾患であり、病状が安定している場合の訪問看護は、要介護認定を受けていれば原則として介護保険が適用されます。特定の合併症による重篤な状態や、特別な医療処置が必要な急性期など、個別の医療的な状況がなければ医療保険の優先適用とはなりません。正しくは:糖尿病のコントロールや一般的な日常生活支援のための訪問看護は、要介護認定があれば介護保険の給付対象です。選びやすい理由:糖尿病は合併症が多く、日々の管理が重要であるため、医療的な介入が常に必要だと誤解しやすいかもしれません。しかし、安定期の管理は介護保険の範疇です。混同注意:『医療保険優先』となる特定の状態(例:がん末期、人工呼吸器使用など)や『特定疾患』とは区別されます。
- 2. 認知症による症状への対応(服薬管理、行動心理症状への支援、ADL維持など)や、生活全般の支援を目的とした訪問看護は、要介護認定があれば原則として介護保険が適用されます。認知症が直接、医療保険優先の対象疾患として指定されているわけではありません。正しくは:認知症の方への介護指導や日常生活の支援を目的とした訪問看護は、要介護認定があれば介護保険の給付対象です。選びやすい理由:認知症の症状は医療的な側面も強く、家族への負担も大きいため、医療保険での手厚い支援を期待してしまうかもしれません。しかし、長期的な生活支援は介護保険の役割です。混同注意:認知症の進行に伴う身体合併症や精神科的な急性期医療が必要な場合は医療保険の対象となりますが、認知症自体が医療保険優先の対象とは異なります。
- 3. 脳梗塞による後遺症(麻痺、嚥下障害、高次脳機能障害など)に対するリハビリテーションや生活支援のための訪問看護は、要介護認定を受けていれば原則として介護保険が適用されます。発症から一定期間内の急性期や、特定の専門的な医療処置が必要な場合は医療保険の対象となり得ますが、慢性期の安定した状態では介護保険が優先されます。正しくは:脳梗塞後の後遺症に対するリハビリや一般的な看護ケアは、要介護認定があれば介護保険の給付対象です。選びやすい理由:脳梗塞は重篤な疾患であり、高度なリハビリテーションや継続的な医療管理が必要だと考えるかもしれませんが、慢性期の状態では介護保険が主となります。混同注意:脳梗塞の『急性期』や『退院直後の一時的な集中リハビリ期間』の医療保険適用と、『安定期の慢性的なケア』の介護保険適用が混同されやすいです。
- 4. 正解。多発性硬化症は、厚生労働大臣が定める『指定難病』の一つです。指定難病と診断された方で、特定の状態にある場合は、要介護認定を受けていても訪問看護は医療保険が優先して適用されます。これは、専門的かつ継続的な医療管理が必要であるという医療的な視点から決定されています。
国試ポイント
要介護認定者に対する訪問看護の費用負担において、原則である介護保険と、例外である医療保険の適用条件(特に指定難病や特定の医療管理を要する状態)を理解しているかが問われる問題です。介護保険と医療保険の給付調整に関する知識が重要になります。
混同注意
一般的な慢性疾患(糖尿病、高血圧など)と、指定難病や厚生労働大臣が定める特定の疾病・状態が混同されやすいです。また、疾患の『急性期』と『慢性期』、あるいは『一般的なケア』と『高度な医療管理』の区別もポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず選択肢の疾患が『指定難病』や『厚生労働大臣が定める疾病等』に該当するかを確認します。次に、その疾患が『急性期』であるか『特別な医療管理』が必要な状態であるかを判断します。
関連知識
訪問看護の医療保険と介護保険の適用区分、指定難病、特定疾患、厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、人工呼吸器装着者など)、特別管理加算の対象疾患・状態。訪問看護ステーションの運営基準。