Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。 このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Aさんは陣痛中は体をこわばらせ、陣痛間欠期にうとうとしており、疲労を訴えていることから、分娩の進行に伴う身体的・精神的疲労が蓄積していると判断できます。疲労は陣痛微弱の原因となり、分娩遷延のリスクを高めるため、休息を促しエネルギーを温存させることが最も重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. Aさんは「疲労」を訴えており、陣痛に合わせて強くいきむことは、さらなる疲労の蓄積につながり、分娩遷延を悪化させる可能性があります。また、この段階では子宮口開大度が不明であり、未開大の状態でいきむのは子宮頸管浮腫や損傷のリスクがあります。正しくは:子宮口全開大後、適切なタイミングで効果的ないきみを促す。選びやすい理由:分娩は赤ちゃんを押し出す作業なので、頑張っていきむべきだと思うかもしれない。しかし、疲労状態では逆効果。混同注意:分娩第2期のいきみのタイミング。
- 2. 正解。Aさんは疲労を訴えており、陣痛間欠期にうとうとしていることから、疲労が蓄積している状態です。分娩中の疲労は陣痛微弱や分娩遷延の原因となるため、休息を促し、体力の温存を図ることは分娩を円滑に進める上で最も重要です。選びやすい理由:疲労回復は分娩進行に不可欠。混同注意:分娩進行を促進する活動。
- 3. 気分転換や分娩促進に歩行や階段昇降が有効な場合もありますが、Aさんは疲労を訴えており、活動はさらなる疲労蓄積につながります。現在の状況では、活動よりも休息が優先されます。正しくは:疲労がなく、分娩進行が緩徐な場合に、気分転換や重力による児頭下降を促す目的で勧める。選びやすい理由:活動することで分娩が進むという一般知識があるため。また気分転換が有効な場面もあるため。混同注意:活動による分娩促進と、疲労時の休息の優先順位。
- 4. リラックス効果を得るために入浴を勧めることはありますが、分娩進行中は破水のリスクや感染のリスク、また陣痛が強まっている状況での移動の負担などを考慮する必要があります。Aさんの疲労困憊の状況を考えると、移動の負担が大きく、感染のリスクも考慮すべきです。また、入浴が分娩を急激に進行させる可能性もあり、適切とは言えません。正しくは:破水前で分娩初期の疲労軽減やリラクゼーション目的であれば、シャワー浴などを検討するが、現在の状況では休息が優先。選びやすい理由:お風呂がリラックス効果をもたらすという一般知識があるため。混同注意:分娩中のリラクゼーションと感染管理の優先順位。
国試ポイント
分娩中の産婦の状況に応じた適切な看護援助、特に疲労管理と陣痛促進・分娩進行への影響を理解しているか。
混同注意
分娩の進行を促す活動(歩行、階段昇降)と、疲労回復のための休息の区別。
次に同じ論点が出たら
疲労の兆候(訴え、表情、身体のこわばり、間欠期の睡眠傾向)と、現在の分娩進行状況(子宮口開大度、下降度)を確認し、休息の必要性を判断する。
関連知識
分娩第1期の疲労徴候と対応、陣痛微弱への看護、分娩時のリラクゼーション方法。