Aさん(17歳、高校生)。身長158 cm、体重48 kg。Aさんは最近、月経時に下腹部痛が繰り返し出現し、寝込むことが多くなった。心配した母親と一緒に、Aさんは産婦人科クリニックを受診し、医師から機能性月経困難症と診断された。既往歴に特記すべきことはない。 Aさんの下腹部痛についての説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
月経困難症の主な原因は、子宮内膜で過剰に産生されるプロスタグランジン(特にPGF2α)です。このプロスタグランジンが子宮平滑筋の過剰な収縮を引き起こし、子宮内の血流を減少させることで、虚血性の痛みを発生させます。これは機能性月経困難症の主要なメカニズムです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。月経困難症の主な原因は、子宮内膜でプロスタグランジンが過剰に産生されることです。プロスタグランジンは子宮を収縮させ、血管を収縮させる作用があるため、強い下腹部痛や腰痛を引き起こします。
- 2. 無排卵性の月経は、ホルモンバランスの乱れによるものであり、月経困難症の直接的な原因ではありません。むしろ、月経困難症は通常、排卵を伴う月経周期で症状が顕著になります(機能性月経困難症の場合)。正しくは:排卵を伴う月経周期で、子宮内膜からのプロスタグランジン産生が亢進することで起こります。選びやすい理由:月経周期の異常と関連付けることで、一見それらしく聞こえるかもしれません。混同注意:月経不順や無排卵周期症などの他の月経関連疾患の原因と混同しやすいです。
- 3. 卵巣内のうっ血は、卵巣静脈瘤や骨盤内うっ血症候群などで起こり得ますが、これらは月経困難症の直接的な機序とは異なります。月経困難症は子宮の収縮に起因する痛みです。正しくは:子宮の過剰な収縮や虚血によって発生します。選びやすい理由:骨盤内の臓器に関連する痛みなので、うっ血という言葉が適切に聞こえるかもしれません。混同注意:骨盤内うっ血症候群や卵巣静脈瘤といった、別の骨盤痛の原因と混同しやすいです。
- 4. 経血の流出自体が痛みを引き起こすことはありません。経血は子宮内膜が剥がれ落ちたものであり、痛みは子宮の収縮やプロスタグランジンによる炎症反応が原因です。むしろ経血がスムーズに排出されないことが痛みを悪化させる要因となることがあります。正しくは:経血の排出に伴う子宮の収縮や、プロスタグランジンの作用によって生じます。選びやすい理由:月経時の現象なので、月経痛の原因と関連付けやすいです。混同注意:月経痛の原因と、月経時の生理現象を混同しやすいです。
国試ポイント
機能性月経困難症の基本的な病態生理を理解しているか、特にプロスタグランジンの役割を把握しているかが問われています。月経周期に関連する症状の原因物質や機序を正確に識別できる能力が必要です。
混同注意
月経困難症の原因が、ホルモン異常、子宮や卵巣の器質的疾患、または単なる経血の排出といった、関連するが直接的ではない事柄と混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
月経困難症の薬物療法(NSAIDsの作用機序、経口避妊薬の作用機序)、あるいは子宮内膜症などの器質性月経困難症の原因疾患に関する知識が問われる可能性があります。
関連知識
機能性月経困難症と器質性月経困難症の違い、それぞれの治療法(NSAIDs、低用量ピルなど)、プロスタグランジンの生理作用(陣痛、炎症反応など)。