構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
構音障害は、脳卒中や神経疾患などにより、発音に必要な口唇、舌、顎などの器官の動きが障害され、言葉が不明瞭になる状態です。多くの場合、言語理解力や読み書きの能力は保たれています。そのため、筆談は患者が自分の意思を表現するための有効な代替手段となります。患者のコミュニケーションの困難さを理解し、最も負担の少ない方法を提案することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 構音障害は発音の問題であり、聴覚障害とは異なります。そのため、手話での説明は不適切です。正しくは:患者のコミュニケーション能力に合わせた補助手段を検討する。選びやすい理由:コミュニケーションを補助する手段として一見有効に見えるが、障害の性質を誤解している。混同注意:構音障害を聴覚障害と混同すると、この選択肢を選んでしまう可能性がある。
- 2. 正解。構音障害は発音の困難さを指すため、言語を理解し、文字を書く能力は通常保たれています。筆談は患者が自分の意思を伝えるための有効な代替手段となります。選びやすい理由:患者の負担を考慮すると、まずは筆談を提案するのは有効な手段である。混同注意:構音障害の基本的な理解があれば、この選択肢の適切性は判断しやすい。
- 3. 構音障害は発声や発音に関わる障害であり、聴力には関係ありません。耳元で話しても患者の発音能力は改善されず、かえって威圧感を与える可能性があります。正しくは:患者の顔を見て、はっきりと話す。選びやすい理由:聞き取りにくい場合に有効な手段と誤解するかもしれないが、構音障害とは関係ない。混同注意:患者が「聞き取れていない」と誤解した場合に、この選択肢を選んでしまうかもしれない。
- 4. 不明瞭な発言を何度も聞き直すことは、患者に精神的な負担やストレスを与え、コミュニケーションを阻害する可能性があります。忍耐強く聞く姿勢は大切ですが、繰り返し聞き直すよりも、筆談やジェスチャーなど他の手段を提案する方が適切です。正しくは:患者の言葉を注意深く聞き、必要に応じてYES/NOで答えられる質問をするか、他のコミュニケーション手段を提案する。選びやすい理由:患者の言いたいことを理解しようとする意欲を示す行動ではあるが、患者の負担を増大させる。混同注意:誠実な態度と混同し、粘り強く聞き続けることが最善策だと誤解する可能性がある。
国試ポイント
構音障害の定義と、それに対する適切なコミュニケーション支援方法の理解が問われています。患者の障害の性質を正確に把握し、その障害特性に合わせた支援を選択する能力が重要です。
混同注意
構音障害、失語症、聴覚障害の違いとその対応策を混同しやすいです。構音障害は発音の問題、失語症は言語の理解・表出・読み書きの問題、聴覚障害は音の聞き取りの問題と区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
患者のストレスレベルや、筆記能力の有無を確認し、状況に応じてジェスチャーや指差し、絵カードなど他の非言語的コミュニケーション手段の提案も考慮する。
関連知識
失語症患者への対応(ジェスチャーや絵カードの利用)、聴覚障害患者への対応(筆談、手話、補聴器、正面からの発話)など、他のコミュニケーション障害への対応と比較して学習すると理解が深まります。