梅毒について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
梅毒の血清反応には、脂質抗原を用いた非特異的検査(例:RPR、VDRL)と、梅毒トレポネーマ抗原を用いた特異的検査(例:TPHA、FTA-ABS)があります。非特異的検査では、梅毒以外の様々な疾患や生理的状態(妊娠、膠原病、悪性腫瘍、肝疾患など)によって、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがあります。これを生物学的偽陽性と呼びます。選択肢4は、妊娠がこの生物学的偽陽性の一因となることを正しく述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. 梅毒はウイルス感染症ではなく、細菌(Treponema pallidum:梅毒トレポネーマ)によって引き起こされる感染症です。正しくは:梅毒は細菌感染症である。選びやすい理由:感染症であることは共通認識だが、原因病原体の種類を混同する可能性がある。混同注意:ウイルス感染症と細菌感染症の区別
- 2. 梅毒の主な感染経路は性行為による接触感染(性感染症)であり、空気感染ではありません。母子感染(垂直感染)もあります。正しくは:感染経路は接触感染である。選びやすい理由:感染症であるため、空気感染も感染経路の一つと誤解する可能性がある。混同注意:性感染症の感染経路と他の感染経路の区別
- 3. 梅毒の治療の第一選択薬はペニシリン系抗菌薬(例:ベンジルペニシリン)であり、ステロイド外用薬は用いられません。ステロイドは炎症を抑える目的で使われることがありますが、梅毒菌を排除する効果はありません。正しくは:治療の第一選択薬はペニシリン系抗菌薬である。選びやすい理由:皮膚症状を伴うため、皮膚科で用いられるステロイド外用薬と関連付けて誤解する可能性がある。混同注意:細菌感染症の治療薬と皮膚症状治療薬の混同
- 4. 正解。梅毒血清反応の生物学的偽陽性とは、梅毒に感染していないにもかかわらず、検査結果が陽性となることです。妊娠のほか、膠原病、悪性腫瘍、肝疾患、高齢なども偽陽性の原因となることがあります。選びやすい理由:偽陽性という概念自体が理解しにくい場合がある。混同注意:偽陽性の概念と、特異的な原因病原体による陽性反応との区別
国試ポイント
梅毒の原因菌、感染経路、治療薬、および血清検査の解釈(特に偽陽性)に関する基本的な知識が問われています。感染症の知識だけでなく、検査の特性や臨床における注意点まで理解しているかが重要です。
混同注意
梅毒の血清学的診断における非特異的検査と特異的検査の違い、およびそれらにおける偽陽性の原因は、受験生が混同しやすいポイントです。ウイルス感染症と細菌感染症の区別や、性感染症の治療薬についても正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
梅毒の各病期における特徴的な症状や、先天梅毒に関する知識を問う問題が出題される可能性があります。また、他の主要な性感染症(淋病、性器ヘルペス、クラミジア感染症など)との比較や鑑別についても理解を深めることが求められます。
関連知識
梅毒トレポネーマ、性感染症、抗菌薬(ペニシリン)、梅毒の各病期(1期、2期、潜伏期、3期、4期梅毒)、RPR法、TPHA法、生物学的偽陽性。