下腿の介達牽引を受けている患者が足背のしびれを訴えている。看護師が確認すべき項目で優先度が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
足背部のしびれは、腓骨神経麻痺の典型的な症状であり、下腿外側から足背にかけての感覚異常や足関節の背屈・外反困難を伴うことがあります。介達牽引において、下肢の不適切な肢位(特に膝が外反するような肢位)により、腓骨頭部が圧迫され、腓骨神経が障害されるリスクが高まります。そのため、看護師はまず下肢の姿勢を確認し、腓骨神経への圧迫がないかを判断することが最も優先されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。足背部のしびれは腓骨神経麻痺を示唆する症状であり、下肢の不適切な姿勢(特に腓骨頭への圧迫)が原因となる可能性が高いため、下肢の姿勢確認が最も優先される。選びやすい理由:直接的な原因に直結する可能性が高い。混同注意:他の症状との区別、例えば循環障害によるしびれとの区別。
- 2. 牽引の進行方向が不適切である場合も問題は生じますが、足背部のしびれという具体的な神経症状に対しては、直接神経を圧迫する可能性のある下肢の姿勢確認の方が優先度が高いです。正しくは:牽引の進行方向は、骨折部の整復や固定の目的に合致しているかを確認する。神経圧迫症状の場合、直接的な原因究明には姿勢確認がより重要。選びやすい理由:牽引治療の基本的な要素であるため、異常時に確認すべき事項の一つとして考えやすい。混同注意:牽引の目的が達成されているかどうかの確認と、有害事象への対処の優先順位。
- 3. 重りの重量が不適切であると、過剰な牽引力がかかり、骨折部の整復不良や皮膚トラブル、循環障害などを引き起こす可能性があります。しかし、足背部のしびれという神経症状に対しては、直接的な神経圧迫を解除する姿勢確認の方が優先度が高いです。正しくは:重りの重量は医師の指示通りであるか、また牽引の目的に合致しているかを確認する。神経症状の場合は、神経圧迫の解除が最優先。選びやすい理由:牽引治療の基本的な要素であり、異常時に確認すべき事項の一つとして考えやすい。混同注意:牽引力による一般的な合併症(皮膚トラブル、循環障害)と、神経圧迫による特異的症状。
- 4. 弾性包帯の位置ずれは、皮膚トラブルや循環障害の原因となることがありますが、足背部のしびれという神経症状に対しては、直接神経を圧迫する可能性のある下肢の姿勢確認の方が優先度が高いです。ただし、包帯による局所的な圧迫が神経症状を引き起こしている可能性も考慮に入れる必要はあります。正しくは:弾性包帯は、皮膚を圧迫しすぎず、かつ牽引装置がずれないように適切に巻かれているかを確認する。神経症状の場合は、圧迫源の特定が重要。選びやすい理由:介達牽引において皮膚トラブルや循環障害の原因として頻繁に挙げられるため、異常時に確認すべき事項として考えやすい。混同注意:皮膚トラブルや循環障害の原因と、神経症状の原因。
国試ポイント
介達牽引中の患者の神経症状出現時には、解剖学的知識に基づいた神経圧迫部位の特定と、それに対する適切な姿勢調整の重要性。
混同注意
牽引による神経圧迫症状と、循環障害による虚血性症状(疼痛、蒼白、冷感、脈拍触知不良、運動麻痺)の鑑別。
次に同じ論点が出たら
下肢のしびれや麻痺が牽引に関連する場合、まずは神経の走行に沿った圧迫部位を確認し、牽引肢位や装具の調整で改善が見られるかを判断する。
関連知識
介達牽引における観察項目:皮膚の状態(発赤、水疱)、牽引部の皮膚トラブル、循環状態(浮腫、チアノーゼ)、神経症状(しびれ、麻痺)、牽引装置の点検(滑車、ロープ、重り、ベッド位置)。腓骨神経麻痺の原因となる姿勢や装具。