前立腺癌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
前立腺がんでは、がん細胞の増殖に伴い前立腺特異抗原(PSA)が過剰に産生され、血中に放出されるため、血清PSA値は上昇傾向を示します。このPSA値の経時的変化は、がんの診断、病期分類、治療効果判定、再発モニタリングに非常に重要な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 前立腺がんは肺転移も起こりえますが、特に骨転移が非常に多いことで知られています。肺への転移が稀であるという記述は不適切です。正しくは:前立腺がんは骨への転移が多い。選びやすい理由:特定のがん種は特定の臓器に転移しやすいという一般知識から、肺転移が少ない可能性を考えてしまう。混同注意:骨転移の頻度と肺転移の頻度の相対的な関係。
- 2. 正解。前立腺がんは前立腺特異抗原(PSA)を産生するため、がんの進行に伴い血清PSA値は上昇傾向を示します。これは診断や経過観察の重要な指標です。選びやすい理由:PSAが前立腺疾患のマーカーとして広く知られているため。混同注意:PSAは前立腺肥大症でも上昇するため、それだけでがんと確定するわけではない点。
- 3. 前立腺がんは高齢者に好発し、大部分の患者は60歳以上、特に70歳代以降に多く見られます。60歳に達していない患者は少数です。正しくは:大部分の患者は60歳以上に達している。選びやすい理由:がんが若年層にも発生しうるという一般的な認識。混同注意:がん全体の年齢分布と、特定のがん種の好発年齢。
- 4. 前立腺がんは男性ホルモン(テストステロンなど)依存性に増殖することが多いため、ホルモン療法としてテストステロンの補充ではなく、その産生や作用を抑制するアンドロゲン除去療法(ADT)が実施されます。テストステロン補充療法はがんを進行させる可能性があります。正しくは:テストステロンの産生や作用を抑制するアンドロゲン除去療法が実施される。選びやすい理由:ホルモン関連のがんであるため、ホルモン補充療法が治療法の一つとして考えやすい(乳がんでのホルモン療法など)。混同注意:ホルモン依存性腫瘍に対する治療が、補充療法なのか抑制療法なのか。
国試ポイント
前立腺がんのスクリーニング、診断、治療効果判定における血清PSAの重要性、および前立腺がんの疫学・転移・治療の基本を理解する。
混同注意
PSA値の上昇は前立腺肥大症や前立腺炎でも見られるため、PSA値のみで前立腺がんと断定することはできない(直腸指診や生検と合わせて総合的に判断する)。
次に同じ論点が出たら
前立腺がんの問題では、PSA値の意義、転移部位(特に骨転移)、好発年齢、ホルモン療法の原理(アンドロゲン抑制)のいずれかが問われる可能性が高い。
関連知識
前立腺がんの好発年齢は高齢者であり、骨転移が多いこと。治療法には手術(根治的放射線治療)、放射線治療、ホルモン療法(アンドロゲン除去療法)、化学療法などがあること。