成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
NRS(Numerical Rating Scale:数値評価尺度)は、患者が自身の痛みの程度を0から10までの数字で回答する形式であり、成人の疼痛評価に広く用いられています。がん患者の疼痛評価においても、簡便性や再現性から推奨される尺度の一つです。設問の「数字で表現する」という条件に最も合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. このスケールは、表情の変化を使って痛みの度合いを示すものであり、主に言語表現が困難な小児や認知症患者などに適用されます。数字で直接回答するものではありません。正しくは:小児や言語的表現が難しい方が、表情によって痛みを表現するのに適したスケールです。選びやすい理由:痛みの評価スケールとして有名なので、選択肢に入れて迷わせる可能性があります。混同注意:痛みの評価スケール全般と混同しやすいですが、対象者と表現方法が異なります。
- 2. 正解。NRSは、患者が自身の痛みを「0(痛みなし)から10(想像しうる最悪の痛み)までの数字」で段階的に回答する評価尺度です。成人が自己申告で痛みを数値化する際によく用いられ、悪性腫瘍患者の疼痛評価にも適切です。
- 3. VASは、痛みがない状態を示す端から最も強い痛みを示す端まで10cmの線を引き、患者が現在の痛みの程度をその線上のどこかに印をつけて示す方法です。これは数値で直接回答するものではなく、印の位置を測定して数値化するため、「数字で表現する」という設問の条件とは異なります。正しくは:患者が痛みがない状態から最も強い痛みまでの線上で、自身の痛みの位置を示すことによって評価する尺度です。選びやすい理由:痛みの評価スケールとしてNRSと並んで有名であり、最終的には数値に変換されるため誤解しやすいです。混同注意:患者自身が直接数値を答えるNRSと、線上に印をつけて後から測定するVASとの違い。
- 4. VRSは、「痛みなし」「軽度」「中等度」「高度」などの言葉の選択肢から、患者が自身の痛みの程度に最も近い言葉を選ぶ評価尺度です。数字ではなく言葉で回答するため、設問の「数字で表現する」という条件には合いません。正しくは:患者が「痛みなし」「軽度」「中等度」「高度」といった言葉の中から、自身の痛みに合致するものを選択する尺度です。選びやすい理由:「評価尺度」という点で他の選択肢と似ており、言葉で表現する点も患者の自己申告であるため、うっかり選んでしまう可能性があります。混同注意:数字で評価するNRSやVASと、言葉で評価するVRSの違い。
国試ポイント
各種痛み評価スケールの特徴と、それぞれの適用対象(成人か小児か、言語能力など)および評価方法(数値、表情、言葉、視覚的)を正確に理解しているかが問われています。特に「数字で回答する」という条件を正確に読み取ることが重要です。
混同注意
NRSとVASはともに痛み評価によく用いられますが、VASは患者が線上に印をつけ、その位置を測定して数値化するのに対し、NRSは患者自身が直接数値を回答する点で異なります。また、フェイススケールは主に小児や言語化が困難な場合に、VRSは言葉で回答する場合に用いられるため、対象者や回答形式を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回、痛み評価スケールに関する問題が出題された際は、まず『対象者(例:成人、小児、意識レベル)』と『回答・評価形式(例:数字、言葉、表情、行動観察、線上指示)』を注意深く確認し、設問の条件に最も合致する尺度を選択するようにしましょう。
関連知識
痛み評価スケールには、本問の選択肢以外にも、FLACCスケール(非言語的行動観察)、BPS(行動的疼痛スケール:集中治療室など)、CPOT(クリティカルケア疼痛観察ツール)など、様々な状況に応じたものがあります。それぞれのスケールのメリット、デメリット、適用対象、使用方法を把握しておくことが重要です。