鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
鼻中隔前方からの出血(前鼻出血)の多くは、キーゼルバッハ部位と呼ばれる豊富な血管網のある場所から発生します。この部位を鼻翼部の上から指で強く圧迫することで、出血源を直接圧迫し止血することができます。出血時は、患者を座位にしてやや前傾させ、血液が喉に流れないようにすることも重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 仰向けにすると、血液が喉の奥に流れ込み、誤嚥や吐き気の原因となる危険性があります。正しくは:座位で頭をやや前傾させ、血液が喉に流れないようにします。選びやすい理由:出血時に安静を保つために横になることが適切だと誤解しやすいですが、鼻出血の場合は喉への血液流入を避けることが重要です。混同注意:安静臥床が一般的な体位管理であることと混同しやすいです。
- 2. ベロックタンポンは、通常、鼻の奥からの出血(後鼻出血)に対して使用されるものであり、専門的な医療処置です。鼻中隔前方からの出血(前鼻出血)の一般的な応急処置としては適切ではありません。正しくは:前鼻出血に対する第一選択の応急処置は、キーゼルバッハ部位の圧迫です。専門的な処置が必要な場合は、止血ガーゼ挿入などが行われます。選びやすい理由:止血処置としてタンポン挿入という言葉から、正しい処置だと判断してしまう可能性があります。混同注意:前鼻出血と後鼻出血の治療法の違いや、家庭でできる応急処置と医療機関で行う専門的な処置の違いが混同されやすいです。
- 3. 正解。鼻中隔の前方にあるキーゼルバッハ部位は、鼻出血が最も頻繁に発生する場所です。この部位を直接、鼻翼部を外側から指で挟んで圧迫することで、出血源となっている血管を圧迫し止血効果が期待できます。
- 4. 咽頭に流れてきた血液を飲み込むと、胃を刺激して吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。また、誤嚥のリスクも考えられます。正しくは:咽頭に流れてきた血液は、飲み込まずに口から吐き出すよう指導します。選びやすい理由:周囲を汚さないように配慮したり、出血している事実を隠そうとする心理から、飲み込むことが正しいと思ってしまう可能性があります。混同注意:喀血や吐血などの消化器系の出血との違いや、血液を体内に取り込むことの危険性の認識が不足していると間違えやすいです。
国試ポイント
鼻出血への応急処置に関する知識が問われています。特に、鼻出血で最も多い前鼻出血に対する適切な初期対応(体位、圧迫部位、避けるべき行動)が理解できているかを確認する問題です。
混同注意
鼻出血の部位(前鼻出血と後鼻出血)による対処法の違いや、専門的な医療処置(タンポン挿入など)と一般の人が行う応急処置の違いが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出題された場合は、まず『鼻出血の部位(前方か後方か)』、『応急処置か専門的処置か』、『患者の体位』、『出血した血液の処理』の4点に注目して選択肢を検討しましょう。
関連知識
鼻出血時の正しい体位は、座位で頭部をやや前傾させ、鼻からの出血は下方へ流し、口へ回った血液は吐き出すことです。5~10分程度、鼻翼をしっかり圧迫し、圧迫を解除する際はゆっくり行います。止血しない場合や、頻繁に繰り返す場合は医療機関を受診するよう指導します。