国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ICN倫理綱領では、看護師の基本的責任として「健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和」を挙げています。この中で、特に患者の尊厳と生活の質を重視する観点から、苦痛の緩和は看護師の中核的な役割とされています。選択肢3は、この倫理綱領に明記されている基本的な責任に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 疾病の回復は看護の重要な側面ですが、ICN倫理綱領における看護師の基本的責任としては、苦痛の緩和や健康の増進、疾病の予防などがより包括的に示されています。回復自体は患者の自然治癒力や医療処置の結果でもあり、看護師の直接的な「責任」というよりは「目標」や「貢献」の要素が強いです。正しくは:健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和、あらゆる場、あらゆる人々、あらゆる集団に対するケア。選びやすい理由:看護の目的の一つであるため、正しいと誤解しやすい。混同注意:「健康の回復」はICN倫理綱領に含まれるが、「疾病の回復」という表現が限定的であり、より上位概念の「苦痛の緩和」が基本的責任として明記されているため、不適切とされる。
- 2. 看護師は医師と協力しますが、その役割は独立しており、医師の「補助」に限定されるものではありません。ICN倫理綱領は看護師の自律性と専門性を強調しており、看護師独自の判断と責任に基づくケア提供を基本的な責務としています。正しくは:患者へのケアを自律的に提供し、他職種と協働する。選びやすい理由:チーム医療において看護師が医師の指示に基づいて業務を行うことがあるため、正しいと誤解しやすい。混同注意:看護師は協働する立場であり、「補助」という表現は看護師の専門性と自律性を損なうため誤り。
- 3. 正解。ICN倫理綱領では、看護師の基本的責任として「健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和」が明記されています。その中でも「苦痛の緩和」は、身体的苦痛だけでなく精神的、社会的、スピリチュアルな苦痛を含む包括的なケアとして、看護の中心的な役割の一つとされています。
- 4. 薬剤の投与は看護師が行う重要な業務の一つですが、これはあくまで医療行為の一部であり、ICN倫理綱領が示す看護師の「基本的責任」という広範な概念には当てはまりません。基本的責任は、より上位の理念や価値観に基づいたものです。正しくは:生命の維持、健康の増進、疾病の予防、苦痛の緩和。選びやすい理由:看護師の業務として日常的に行われるため、正しいと誤解しやすい。混同注意:薬剤投与は「業務」であり、「基本的責任」という倫理綱領で示される概念とはレベルが異なる。
国試ポイント
国際看護師協会(ICN)の倫理綱領における看護師の基本的責任に関する知識が問われています。倫理綱領の主要な柱とその内容を理解しておくことが重要です。
混同注意
看護師の業務内容は多岐にわたるため、日常的に行う業務(例:薬剤投与)と、倫理綱領で示されるより包括的な「基本的責任」との区別が曖昧になりがちです。また、「疾病の回復」も看護の目的の一つですが、ICN倫理綱領で明記されている表現やその包含範囲を正確に理解していないと選択肢の判断を誤る可能性があります。
次に同じ論点が出たら
この問題から、看護師の役割や責任に関する法的・倫理的側面をさらに深く学習する必要があります。特に、倫理綱領の各要素が具体的な看護実践にどのように結びつくかを考察する訓練が求められます。
関連知識
ICN倫理綱領の4つの主要な要素(看護師と人々、看護師と実践、看護師と専門職、看護師と社会)についても理解しておくと良いでしょう。また、日本の看護師の倫理綱領との比較検討も有効です。