臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則を定めたもので、被験者の人権と利益を科学や社会の利益よりも優先することを明確に謳っています。これは、ニュルンベルク綱領を踏まえ、より詳細に研究倫理を規定したもので、今日の臨床研究倫理の基礎となっています。
選択肢ごとの解説
- 1. オタワ憲章は、プライマリヘルスケアと健康増進に関する国際的なフレームワークであり、研究倫理指針ではありません。正しくは:この憲章は、健康的な公共政策の構築、支援的な環境の創造、地域活動の強化、個人の技能開発、ヘルスサービスの再方向付けを主な柱としています。選びやすい理由:国際的な保健関連の文書であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:健康増進活動に関する国際文書と研究倫理指針。
- 2. リスボン宣言は、世界医師会が採択した『患者の権利に関する宣言』であり、臨床研究の倫理指針ではありません。患者と医師の関係における権利と義務を定めています。正しくは:患者には、医療を受ける権利、情報に関する権利、自己決定の権利、プライバシーの権利などが保障されています。選びやすい理由:『患者の権利』という言葉から、被験者の権利と関連付けて選びやすいかもしれません。混同注意:一般的な患者の権利に関する宣言と、研究参加者の権利に関する宣言。
- 3. ジュネーブ宣言は、医師の倫理的義務を再確認した現代のヒポクラテスの誓いとも言えるもので、臨床研究の倫理指針ではありません。医師の誓約内容を定めています。正しくは:この宣言は、人間の生命に対する尊敬、患者の健康を第一に考えること、医療の秘密保持、同僚への尊敬などを医師に求めています。選びやすい理由:医師の倫理に関わる重要な宣言なので、研究倫理と関連付けて考えやすいかもしれません。混同注意:医師個人の倫理的誓約と、研究全体を律する倫理指針。
- 4. 正解。ヘルシンキ宣言は、世界医師会が採択した、人間を対象とする医学研究に関する倫理原則であり、研究参加者の人権と利益を最優先することを明記しています。被験者の福祉は、科学的・社会的な利益よりも常に優先されるべきであると強く提唱しています。正しくは:この宣言は、インフォームドコンセントの重要性、リスクと負担の最小化、独立した倫理審査委員会の設置などを求めています。選びやすい理由:他の選択肢も国際的な倫理宣言であるため、知識が曖昧だと迷う可能性があります。混同注意:他の一般的な医療倫理宣言や健康増進に関する国際文書。
国試ポイント
臨床研究の倫理に関する主要な国際的指針であるヘルシンキ宣言の内容を理解しているかが問われています。特に、被験者の権利と利益を最優先するという原則が重要です。
混同注意
オタワ憲章(健康増進)、リスボン宣言(患者の権利)、ジュネーブ宣言(医師の倫理誓約)など、他の国際的な保健・医療関連の宣言とは内容が異なります。
次に同じ論点が出たら
今後も、臨床研究における倫理原則の具体的な内容(例:インフォームドコンセントの要件、倫理審査委員会の役割、研究リスクと利益のバランス)や、他の主要な国際的倫理規範(例:ニュルンベルク綱領、ベルモント・レポート)との違いが問われる可能性があります。
関連知識
インフォームドコンセント、倫理審査委員会(IRB)、ニュルンベルク綱領、ベルモント・レポート、疫学研究に関する倫理指針、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(国内指針)