肺結核について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
肺結核の二次発症は、初感染後に体内に潜伏していた結核菌が、免疫力低下などをきっかけに再活性化することによって起こります。また、結核の確実な治療と多剤耐性菌の出現抑制のため、医療従事者による直接服薬確認療法(DOTS)が世界保健機関(WHO)によって強く推奨されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺結核は日本の結核患者の約8割を占めており、結核全体の大部分を占める疾患です。約10%というのは肺外結核の割合に近い記述です。正しくは:結核全体に占める割合は約80%程度である。選びやすい理由:「結核」という大きな括りの中で、肺結核がその一部であるという漠然とした認識から、この数字を選んでしまう可能性があります。また、肺外結核の割合と混同しやすいです。混同注意:肺結核と肺外結核の発生割合。
- 2. 結核菌の主な感染経路は、感染者の咳やくしゃみで空気中に放出された結核菌を含む飛沫核(直径5μm以下)を吸い込むことによる空気感染(飛沫核感染)です。接触感染ではありません。正しくは:感染は主に飛沫核を介した空気感染(飛沫核感染)である。選びやすい理由:一般的な感染症の感染経路として接触感染があるため、結核にも当てはまるのではないかと考えてしまうかもしれません。混同注意:飛沫感染、飛沫核感染(空気感染)、接触感染といった感染経路の分類。
- 3. 肺結核の原因は細菌の一種である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)です。一方、肺アスペルギルス症の原因は真菌(カビ)の一種であるアスペルギルス属です。両者は全く異なる病原体であり、治療法も異なります。正しくは:原因菌は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)である。選びやすい理由:両者とも『肺の疾患』であるという共通点から、病原体も類似しているのではないかと推測してしまう可能性があります。混同注意:細菌感染症と真菌感染症の区別、具体的な病原体の種類(例:結核菌とアスペルギルス属菌)。
- 4. 正解。多くの人は結核菌に初感染しても、免疫力によって菌の活動が抑えられ、発症に至らず潜伏結核感染の状態になります。その後、病気や加齢などにより免疫力が低下すると、体内で休眠していた結核菌が再活性化し、再び増殖を始めることで二次結核(または再燃結核)として発症します。
- 5. 正解。DOTS(Directly Observed Treatment, Short-course)は、医療従事者や支援者が患者さんの抗結核薬の服薬を直接確認する方法です。これにより服薬アドヒアランスが向上し、治療の確実な完遂を促し、多剤耐性結核菌の出現を防ぐために国際的に推奨されています。
国試ポイント
結核に関する基本的な疫学、感染経路、病態生理(特に一次結核と二次結核の違い)、および治療の原則(DOTSの重要性)について、正確な知識が問われています。特に、誤解しやすい感染経路や病原体の種類、各病型における特徴を区別できるかが重要です。
混同注意
結核の感染経路(飛沫核感染とその他の感染経路)、結核の病態(一次結核、潜伏結核感染、二次結核の区別)、他の呼吸器感染症との病原体の混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われる場合、結核の診断(特にIGRA検査の活用や意義)、薬物療法の具体的なレジメンや副作用への対応、高齢者における結核の特徴、あるいは結核患者の退院支援や地域での連携について問われる可能性があります。また、多剤耐性結核の治療や対策に関する知識も重要です。
関連知識
結核の病態生理(初感染、潜伏結核感染、一次結核、二次結核)、結核の感染経路(飛沫核感染のメカニズムと予防策)、結核の診断方法(胸部X線、喀痰検査、IGRAなど)、抗結核薬の種類と多剤併用療法の原則、DOTSの具体的な実施方法と意義、多剤耐性結核(MDR-TB)について。