人工弁置換術の術後合併症で早期離床による予防効果が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
人工弁置換術後の患者は、術後の安静臥床や胸郭の固定、疼痛などにより呼吸が浅くなりがちで、分泌物が貯留しやすくなります。これにより無気肺や肺炎のリスクが高まります。早期離床を行うことで、深呼吸が促され、肺の拡張を助け、分泌物の排出を促進し、肺炎をはじめとする呼吸器合併症の予防に極めて高い効果を発揮します。
選択肢ごとの解説
- 1. 反回神経麻痺は、手術操作中の神経損傷や圧迫が主な原因であり、早期離床による予防効果は期待できません。正しくは:反回神経麻痺は手術操作に伴う合併症であり、早期離床とは直接関係がありません。選びやすい理由:術後に起こりうる合併症の一つであるため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:他の神経系の合併症や、手術と直接関連する合併症と混同する可能性があります。
- 2. 術後出血は、主に手術中の止血不十分や凝固機能の異常、血管損傷などが原因であり、早期離床で予防できるものではありません。むしろ過度な早期離床が再出血のリスクとなる場合もあります。正しくは:術後出血は手術手技や凝固系の問題に起因し、早期離床とは予防の関係にありません。選びやすい理由:術後の主要な合併症であるため、重要なものとして選びやすいかもしれませんが、早期離床の予防対象ではありません。混同注意:安静臥床によって血栓ができやすくなることと、出血を混同するかもしれません。
- 3. 縦隔炎は、手術部位の感染が縦隔に波及することで発生する重篤な合併症です。主な原因は手術部位の汚染や創感染であり、早期離床が直接的な予防策とはなりません。創部の清潔保持や感染管理が重要です。正しくは:縦隔炎は手術部位の感染が原因であり、早期離床では予防できません。選びやすい理由:重篤な感染症であるため、予防の必要性は強く感じますが、早期離床の直接的な効果は薄いです。混同注意:術後感染症全般と、早期離床による呼吸器系合併症予防を混同する可能性があります。
- 4. 正解。早期離床は、臥床による肺うっ血や無気肺、気管・気管支分泌物の貯留を防ぎ、肺の換気を促進します。これにより、術後に発生しやすい肺炎や無気肺といった呼吸器合併症のリスクを大幅に減少させることができます。特に心臓手術後の患者は、術中の人工呼吸管理や胸郭の固定により呼吸機能が低下しやすいため、早期離床が非常に重要です。
国試ポイント
手術後の早期離床の重要性と、それが予防する主な合併症(特に呼吸器系合併症)を理解しているか問う問題です。心臓外科手術後の患者管理の基本知識が求められます。
混同注意
早期離床は様々な合併症の予防に寄与しますが、直接的な予防効果が低いもの(例:出血、神経麻痺、感染症全般)と、高いもの(例:肺炎、DVT、廃用症候群)を正確に区別できるかがポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、早期離床によって予防できる合併症の具体例を複数挙げられるか、またそのメカニズムを説明できるかを確認すると良いでしょう。特に、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症も早期離床で予防効果が高い代表例です。
関連知識
早期離床の効果(呼吸器合併症予防、循環器系合併症予防(DVT、肺塞栓)、消化器系合併症予防(イレウス)、筋力低下・ADL低下予防)、人工弁置換術後の一般的な看護、心臓外科術後の合併症。