Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ワルファリンはビタミンKの働きを阻害することで血液凝固を抑制する薬剤です。納豆は納豆菌によって産生されるビタミンK2を大量に含んでおり、これを摂取するとワルファリンの効果が著しく減弱し、血栓形成のリスクが高まります。そのため、ワルファリン服用中は納豆の摂取を避ける必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 海藻類にはワルファリンの作用に影響を与えるほどのビタミンKは含まれていません。正しくは:適量を摂取しても問題ありません。選びやすい理由:健康的なイメージから、何らかの薬との相互作用を想像するかもしれませんが、ワルファリンとは直接関係ありません。混同注意:ヨードと甲状腺機能に関連する食品と混同することがあるかもしれません。
- 2. 牛乳はカルシウムを多く含みますが、ワルファリンの作用に直接的な影響を与えるビタミンKの含有量はごくわずかであり、避ける必要はありません。正しくは:ワルファリン服用中に摂取しても問題ありません。選びやすい理由:カルシウムが薬の吸収に影響を与える場合があるため、一見避けるべき食品のように思えるかもしれませんが、ワルファリンとは関連が薄いです。混同注意:テトラサイクリン系抗生物質など、カルシウムを含む食品との摂取を控えるべき薬剤と混同することがあります。
- 3. 正解。納豆には大量のビタミンK2が含まれており、ワルファリンはビタミンKの働きを阻害することで抗凝固作用を発揮するため、納豆を摂取するとワルファリンの効果が著しく減弱し、血栓形成のリスクが高まります。
- 4. グレープフルーツはCYP3A4という酵素を阻害し、一部の薬剤の血中濃度を上昇させる作用がありますが、ワルファリンは主にCYP2C9で代謝されるため、直接的な影響は小さいとされています。正しくは:ワルファリンとの直接的な相互作用は大きくありませんが、他の多くの薬物との相互作用があるため、注意が必要です。選びやすい理由:多くの薬と相互作用することが知られているため、ワルファリンもその一つだと誤解しやすいです。混同注意:カルシウム拮抗薬や免疫抑制剤など、グレープフルーツとの相互作用が問題となる薬剤と混同することがあります。
国試ポイント
ワルファリンの作用機序(ビタミンK拮抗作用)と、ビタミンKを多く含む食品(特に納豆)との相互作用は、看護師国家試験で頻出の重要事項です。薬物と食品の相互作用に関する知識、特に患者指導における具体的な内容が問われます。
混同注意
ワルファリンとグレープフルーツジュースの相互作用があると誤解されがちですが、グレープフルーツは主にCYP3A4を阻害する薬物相互作用を引き起こし、ワルファリンの主たる代謝経路とは異なります。また、ビタミンKを多く含むとされる他の野菜(緑黄色野菜など)と納豆との影響の程度も混同しやすいです(納豆は特に影響が大きい)。
次に同じ論点が出たら
ワルファリン服用患者に対する食事指導を適切に行えるか。特に、特定の食品(納豆など)が薬効に及ぼす影響を理解し、その理由を患者に説明できるか。また、他の抗凝固薬(DOACなど)との違いや、それぞれの薬剤で避けるべき食品の違いも確認できると良い。
関連知識
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の生合成を阻害することで抗凝固作用を発揮します。緑黄色野菜にもビタミンKが含まれますが、納豆のビタミンK2は体内での利用効率が特に高く、ワルファリンへの影響が大きいため厳重な制限が必要です。また、ワルファリン服用中の出血傾向の観察や、PT-INRによる効果モニタリングも重要です。