患者の状態と寝衣の特徴との組合せで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
意識障害のある患者は、自分で着替えを行うことが困難であり、看護師が介助する必要があります。前開きの寝衣は、臥床したままでも脱がせたり着せたりしやすいため、患者の体位変換の負担を減らし、身体的苦痛を最小限に抑える上で適切です。また、点滴ラインなどの医療処置への配慮もしやすいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 発熱時は発汗が予測されるため、吸湿性と通気性の良い素材が適しています。防水性の寝衣は熱がこもりやすく、発汗を妨げ、体温調節を困難にします。正しくは:発熱のある患者さんには、吸湿性・通気性に優れた寝衣。選びやすい理由:発熱時の発汗で寝具が汚れることを防ぐ目的かと誤解しがちですが、患者の快適性や体温調節が優先されます。混同注意:失禁などで寝具を汚す可能性のある患者に対する対応と混同する可能性があります。
- 2. 開腹術直後の患者は、創部の痛みやドレーン留置、頻繁な処置(ガーゼ交換など)が予想されるため、上下セパレートの寝衣では着脱や処置が困難になり、創部への刺激や疼痛増悪のリスクがあります。正しくは:開腹手術を受けた直後の患者さんには、前開きでゆったりとしたワンピース型の寝衣。選びやすい理由:普段着として一般的なため、選びやすい選択肢ですが、術後という特殊な状況を考慮できていません。混同注意:安静が解除され、活動性が上がった後の寝衣と混同する可能性があります。術直後は着脱の容易さや創部への配慮が最優先です。
- 3. 正解。意識障害のある患者さんは、臥位での着脱介助が必要となります。前開きの寝衣は、仰臥位のままでも容易に着脱でき、体位変換の負担を軽減し、患者さんの不快感を最小限に抑えることができます。また、点滴やカテーテル類が挿入されている場合でも、それらを抜かずに着脱しやすいという利点もあります。
- 4. 下肢に浮腫がある場合、足首にゴムが入った寝衣は、ゴムの締め付けにより血流やリンパ液の流れをさらに阻害し、浮腫を悪化させる可能性があります。また、皮膚に圧痕を残したり、不快感や疼痛を引き起こすこともあります。正しくは:下肢に浮腫がある患者さんには、ゆったりとして締め付けのない寝衣。選びやすい理由:足首を保護する意図と誤解しがちですが、浮腫がある場合は締め付けを避けるのが原則です。混同注意:冷え対策で足首を温める目的の靴下などと混同する可能性がありますが、浮腫がある場合は逆効果です。
国試ポイント
患者の状態に応じた適切な寝衣の選択は、快適性、安全確保、看護ケアの実施のしやすさといった多角的な視点から問われます。特に、着脱の容易さ、身体への負担、特定の症状への配慮が重要です。
混同注意
寝衣選択は、患者の自立度、身体状況(術後、発熱、浮腫など)、医療処置の有無、快適性といった多くの要因が絡むため、安易な判断は誤りにつながりやすいです。各選択肢が示す状態と寝衣の機能性を正確に結びつける必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各選択肢において「その患者の状態にその寝衣は、快適性・安全・看護のしやすさの観点から本当に適切か?」という問いを立て、具体的な理由を考える。
関連知識
寝衣の選択基準:1. 清潔・吸湿性・通気性、2. 着脱の容易さ、3. 身体の締め付けがないこと、4. 患者の年齢・性別・疾患・生活習慣に合わせること、5. 病衣交換は適宜行う。特に術後、意識障害時、発熱時、浮腫時など、特定の状況下での配慮は重要です。