黄疸のある成人患者にみられる随伴症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
黄疸は、血液中のビリルビン値が異常に高くなることで皮膚や粘膜が黄色くなる状態です。特に胆汁うっ滞性の黄疸(胆管の閉塞などにより胆汁の流れが妨げられる場合)では、胆汁中の胆汁酸が肝臓から排出されずに血液中に逆流し、全身に蓄積します。この胆汁酸が皮膚の神経終末を刺激することで、非常に強いかゆみ(搔痒感)を引き起こすことが知られています。これは黄疸患者にとってQOLを著しく低下させる症状であり、看護の重要な視点となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 動悸は、貧血や心疾患、甲状腺機能亢進症など様々な原因で起こる症状ですが、黄疸の直接的な随伴症状としては一般的ではありません。正しくは:動悸が黄疸の随伴症状となることは稀です。黄疸の主な原因である肝疾患が進行し、消化管出血や貧血を併発した結果として二次的に生じる可能性はありますが、黄疸そのものに直接関連する症状ではありません。選びやすい理由:ストレスや不安など、一般的な体調不良でよく見られる症状であるため、漠然とした不調と関連付けて選択してしまう可能性があるかもしれません。混同注意:肝硬変など重篤な肝疾患では貧血を合併しやすく、その結果として動悸を感じることがあるため、肝疾患全体の症状と黄疸の随伴症状を混同する可能性があります。
- 2. 難聴は聴覚器の異常や神経系の問題によって起こる症状であり、黄疸の直接的な随伴症状とは関連がありません。正しくは:難聴は黄疸の随伴症状ではありません。新生児黄疸でビリルビン脳症が進行した場合に、脳の聴覚中枢に影響を及ぼし聴力障害をきたすことはありますが、成人黄疸では直接的な関連性はありません。選びやすい理由:特定の薬物副作用や他の全身疾患と関連する症状であるため、身体のあらゆる不調の可能性として選択肢に入れてしまうかもしれません。混同注意:新生児の重症黄疸によるビリルビン脳症では聴覚障害が生じることがあるため、この知識と成人の黄疸の随伴症状を混同する可能性があります。
- 3. 関節痛は関節の炎症や変性、自己免疫疾患など様々な原因で生じる症状であり、黄疸の直接的な随伴症状ではありません。正しくは:関節痛は黄疸の随伴症状ではありません。ウイルス性肝炎の急性期に先行して、倦怠感や関節痛のような症状が現れることはありますが、これは黄疸そのものに直接関連する症状というよりも、ウイルス感染による全身症状の一部です。選びやすい理由:肝炎など、黄疸の原因となる疾患によっては関節痛がみられることがあるため、原因疾患の症状と黄疸の随伴症状を混同してしまう可能性があります。混同注意:肝炎ウイルス感染など、黄疸を引き起こす基礎疾患の初期症状として関節痛が現れることがあるため、黄疸自体の随伴症状と誤認する可能性があります。
- 4. 正解。黄疸、特に胆汁うっ滞性の黄疸では、血液中の胆汁酸濃度が上昇し、それが皮膚に沈着することで強いかゆみを引き起こすことがよくあります。これは黄疸の代表的な随伴症状の一つです。
国試ポイント
黄疸の主な病態生理と、それに伴う代表的な身体症状(特に看護介入が必要な症状)に関する知識が問われています。黄疸の原因疾患ではなく、黄疸という状態そのものに付随する症状を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
黄疸の原因となる疾患(例:肝炎、肝硬変、膵臓がんなど)の様々な症状と、黄疸という現象に直接関連する随伴症状とを混同しやすいです。本問は「黄疸にみられる随伴症状」を問うているため、黄疸そのものの病態生理から説明できる症状を選ぶ必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、黄疸の他の代表的な随伴症状(例:濃色尿、灰白色便)や、黄疸の種類に応じた症状の違い、あるいは黄疸患者に対する具体的な看護介入(例:掻痒感への対応、食事指導)について問われる可能性があります。
関連知識
黄疸の種類(溶血性黄疸、肝細胞性黄疸、閉塞性黄疸/胆汁うっ滞性黄疸)とそれぞれの機序。ビリルビン代謝経路。便の色調(灰白色便)、尿の色調(濃色尿)。黄疸患者の皮膚症状に対するケア(保湿、冷罨法、薬物療法など)。ビリルビン脳症(核黄疸)と新生児黄疸。