Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。 Aさんの両親に対する看護師の指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
人工呼吸器が過剰送気を示す場合、回路の接続が外れていると、設定された圧力を維持するために機械が空気を送り続けようとし、結果として過剰送気のアラームが鳴ることがあります。ご家族がまず確認すべき点として適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 非侵襲的陽圧換気の吸気圧の調整は、患者の状態評価と専門知識を要するため、ご家族の判断で行うべきではありません。誤った操作は換気不足や過換気などのリスクを引き起こします。正しくは:呼吸困難時は、設定を自己判断で変更せず、医療従事者に連絡するよう指導する。選びやすい理由:息苦しさを改善したいという気持ちから、安易に設定変更を試みたくなる。混同注意:吸気圧を上げれば呼吸が楽になるという単純な発想に陥りやすいが、患者の状態に適した圧設定は専門家が行う必要がある。
- 2. 人工呼吸器が作動しない原因は、電源ケーブルの外れや回路の接続不良など、ご家族で確認・対処できる場合があります。まず落ち着いて基本的な確認を行い、対処できない場合に医療機関へ連絡する手順を指導すべきです。直ちに救急車を呼ぶのは、適切な対処手順を踏まずにパニックに陥る可能性があります。正しくは:人工呼吸器が動かない際は、まず電源や回路の接続を確認し、それでも復旧しない場合は医療機関に連絡するよう指導する。選びやすい理由:緊急事態と感じてすぐに救急車を呼びたくなるのは自然な感情。混同注意:機械のトラブル=緊急事態と捉えがちだが、自己判断で解決できる簡単な原因も多いことを理解させる必要がある。
- 3. 正解。人工呼吸器の過剰送気アラームは、回路の接続不良や外れによって回路内圧が維持できず、設定された量以上の空気を送り込もうとすることで鳴ることがあります。この場合、回路の接続を確認し、適切に再接続することで解決できる可能性があります。これは在宅医療においてご家族が対応できる範囲の基本的なトラブルシューティングです。選びやすい理由:アラームが鳴ると焦ってしまい、具体的な確認手順を忘れがち。混同注意:過剰送気と聞くと、機械の故障と考えてしまうかもしれないが、まずは回路の接続を確認することが基本。
- 4. マスクのベルトを過度に強く締めると、皮膚への圧迫が強くなり、褥瘡や顔面神経麻痺などの合併症のリスクが高まります。空気漏れの原因はマスクのサイズ不適合や装着位置のずれなども考えられるため、まずは正しい装着方法やサイズ確認を指導すべきです。正しくは:マスク周囲からの空気漏れがある場合、まずはマスクの装着位置やサイズを確認し、それでも漏れが続く場合は医療従事者に相談するよう指導する。選びやすい理由:空気漏れを止めるためにベルトを締めるという直感的な行動を取りたくなる。混同注意:強く締めれば問題が解決すると考えがちだが、過度な圧迫による弊害を理解する必要がある。
国試ポイント
在宅医療における人工呼吸器使用時の家族への指導内容が問われています。緊急時の対応、日常的な管理、トラブルシューティングのうち、家族が適切に判断し実行できる範囲の知識が重要となります。
混同注意
緊急時の対応については、何でもかんでも医療機関に任せるのではなく、家族がまずできる基本的な確認と対処を理解しているかが問われます。
次に同じ論点が出たら
この問題で正しい選択肢を選べた場合、在宅医療における機器管理と家族指導の基本を理解していると判断できます。さらに、各アラームの意味と対処法、緊急時の連絡フローについて深く学習を進めましょう。
関連知識
非侵襲的陽圧換気の適応と禁忌、人工呼吸器の基本的なアラームとその原因、在宅医療における医療機器の管理と家族の役割。