Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。 退院後1週。Aさんの父親から「最近、大雨や落雷、地震による被災の報道が多くて、Aは人工呼吸器を付けているし、弟もまだ小さいので不安です。災害に備え何をすればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。訪問看護師がAさんの父親に説明する内容で優先度が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Aさんは人工呼吸器を使用しているため、災害時の停電は生命に直結する危険性があります。そのため、非常用電源の確保と使用方法の説明が最も優先度の高い内容となります。生命維持装置の電源確保は、他のいかなる災害対策よりも緊急性が高いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Aさんは人工呼吸器を装着しており、これは生命維持に不可欠な医療機器です。災害時に停電が発生した場合、人工呼吸器の停止は直接生命に関わるため、非常用電源の確保とその選定方法は最も優先度の高い情報となります。選びやすい理由:他の選択肢も重要ですが、人工呼吸器の稼働は直接生命維持に関わるため、電源の確保が最優先です。混同注意:他の選択肢も災害対策として必要ですが、直接生命維持装置に関わる電力供給の問題は緊急性が高いです。
- 2. 福祉避難所への移動手段も重要ですが、まず人工呼吸器が作動していることが前提となります。移動できたとしても、そこで人工呼吸器の電源が確保できなければ意味がありません。そのため、電源確保の方が優先されます。正しくは:非常用電源の確保を優先した上で、移動手段についても説明します。選びやすい理由:災害時の避難は重要ですが、医療機器の電源確保が先です。混同注意:避難所は重要ですが、その前に生命維持装置の機能を確保することが肝要です。
- 3. 吸引器も重要な医療機器ですが、人工呼吸器は呼吸そのものを補助する生命維持装置であり、その稼働が最優先です。吸引器は吸引が必要な時に使用するものであり、人工呼吸器が停止すれば吸引以前の問題となります。正しくは:人工呼吸器の電源確保を優先した上で、足踏み式吸引器の準備や使用法についても説明します。選びやすい理由:吸引は呼吸管理の一部ですが、人工呼吸器の稼働がより根本的な問題です。混同注意:吸引器も重要ですが、人工呼吸器の機能停止は呼吸停止に直結するため、電源確保が最も優先されます。
- 4. ハザードマップの確認は災害前の準備として非常に重要ですが、これは避難計画や場所の選定に関する情報です。Aさんの場合、人工呼吸器の電源確保が直接生命に関わる問題であり、他の準備に先行して対応すべき事項です。正しくは:非常用電源の確保を優先した上で、ハザードマップの確認についても指導します。選びやすい理由:災害時の情報収集は欠かせませんが、機器の電源確保が緊急性の高い問題です。混同注意:ハザードマップは避難準備の基礎ですが、生命維持装置の電源確保はそれ以前に解決すべき問題です。
国試ポイント
生命維持に直結する医療機器を使用している患者の災害対策において、最も優先すべきは機器の継続稼働を保証するための電源確保であることを理解しているか。
混同注意
すべての選択肢が災害対策として重要であるため、何が最も緊急性が高く、生命に直結するかを正確に判断する必要があります。
次に同じ論点が出たら
非常用電源の説明後、福祉避難所の情報、災害時の連絡方法、家族の役割分担、医療情報カードの準備など、段階的に説明を進める。
関連知識
在宅医療における医療機器の管理、災害時における医療機器の電力供給対策、個別避難計画の作成、災害弱者の避難支援。