Aちゃんは出生前診断で羊水過多があり先天性食道閉鎖症の疑いを指摘されていた。在胎37週5日に帝王切開で出生、出生体重2,780 g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後9点である。出生後、Aちゃんは先天性食道閉鎖症と診断された。 出生直後のAちゃんにみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
出生直後からみられる口腔内の泡沫状唾液の流出は、食道閉鎖症に特徴的な所見です。食道が途中で途切れているため、唾液を飲み込むことができず、口から泡状になって溢れてきます。他の選択肢は、消化管の他の部位の閉塞や他の疾患を示唆する所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは、消化管の閉塞や麻痺性イレウスなど、腸管内に液体と空気が異常に貯留している状態を示唆する所見であり、出生直後の正常な新生児に一般的に見られるものではありません。正しくは:出生直後の正常な新生児の腹部X線写真では、少量のガスが腸管内に認められることがありますが、明確な鏡面像は通常みられません。選びやすい理由:新生児の消化器系の異常を連想させるため、迷う可能性があります。混同注意:胃腸炎や腸閉塞などの病態と混同しやすいです。
- 2. 正解。これは食道閉鎖症の典型的な症状です。食道が途中で途切れているため、唾液を飲み込むことができず、口腔内に貯留し、泡となって溢れ出てきます。
- 3. 胆汁性の嘔吐は、十二指腸以下の消化管閉塞、特に腸閉塞を示唆する重篤な症状であり、緊急の医療介入が必要です。出生直後には見られる可能性はありますが、食道閉鎖症の直接的な症状ではありません。正しくは:食道閉鎖症の直接的な症状ではなく、他の消化管閉鎖を示唆します。選びやすい理由:新生児の嘔吐は異常であるため、選択肢として魅力的です。消化器系の重篤な病態を連想させるため、引っかかりやすいです。混同注意:食道閉鎖症ではなく、十二指腸閉鎖や小腸閉鎖、腸回転異常症などの病態と混同しやすいです。
- 4. 噴水状嘔吐は、幽門狭窄症や頭蓋内圧亢進症状などに見られる特徴的な嘔吐の性状です。食道閉鎖症では、飲み込んだミルクなどが逆流する「溢乳」や「誤嚥」は起こりますが、胃の内容物が勢いよく噴き出すような嘔吐とは異なります。正しくは:幽門狭窄症などで見られる症状であり、食道閉鎖症では通常見られません。選びやすい理由:新生児の嘔吐は異常であるため、選択肢として魅力的です。消化器系の重篤な病態を連想させるため、引っかかりやすいです。混同注意:幽門狭窄症や脳疾患などと混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、出生直後に見られる新生児の異常徴候、特に食道閉鎖症の早期発見につながる特徴的な症状に関する知識を問うものです。看護師として、新生児の異常を早期に察知し、適切な対応をとるための基本的な知識が求められます。
混同注意
新生児の様々な消化器系の異常(食道閉鎖症、幽門狭窄症、腸閉塞など)の症状が混同されやすいです。それぞれの疾患に特有の症状を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の先天性消化器奇形(例:幽門狭窄症、腸閉鎖、臍帯ヘルニア、腹壁破裂など)の典型的な症状と鑑別できるかどうかが問われる可能性があります。また、これらの疾患に対する看護のポイント(観察項目、術前後のケア)も重要です。
関連知識
食道閉鎖症は、胎生期に食道の形成が不完全なために起こる先天性奇形です。約80-90%の症例で食道気管瘻を合併します。出生直後からミルクを飲もうとすると咳き込んだり、チアノーゼを起こしたりすることが特徴です。確定診断は、カテーテルを挿入して食道の閉鎖部位を確認する検査やX線検査で行われます。治療は外科手術による食道の吻合です。