前立腺肥大症患者の頻尿の原因はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
前立腺が肥大すると、尿道が圧迫されて尿の通り道が狭くなります。このため、排尿時に膀胱が完全に空にならず、膀胱内に尿が残る「残尿」が増加します。残尿量が増えることで、膀胱に実際に尿を貯められるスペースが減少し、すぐに尿意を感じるようになり、結果として頻尿につながります。
選択肢ごとの解説
- 1. 前立腺肥大症自体が、体内の水分バランスの異常や腎機能の低下などによる多量の尿生成を引き起こす直接的な原因ではありません。多尿は糖尿病や尿崩症などで見られる症状です。正しくは:多尿ではなく、一回の排尿量が少なくても排尿回数が増えるのが頻尿です。選びやすい理由:頻尿も多尿も「尿の回数や量が多い」という点で混同されやすいですが、メカニズムが異なります。混同注意:「頻尿」と「多尿」はどちらも排尿に関する問題ですが、頻尿は排尿回数が多いことを指し、多尿は尿量そのものが多いことを指します。
- 2. 正解。前立腺肥大症により尿道が圧迫されるため、排尿後に膀胱内に尿が完全に排出されず、残尿が増加します。これにより、膀胱が満杯になるまでの時間が短くなり、頻繁に尿意を感じるようになります。
- 3. 膀胱刺激症状(頻尿、尿意切迫感、排尿痛など)は、前立腺肥大症によって引き起こされる残尿の増加や膀胱の過活動の結果として現れる「症状」であり、頻尿の「原因」そのものではありません。正しくは:膀胱刺激症状は残尿増加などの結果として生じるものであり、頻尿の原因の一つではありません。原因は、尿道の圧迫とそれに伴う残尿増加です。選びやすい理由:頻尿自体が膀胱刺激症状の一つであるため、直接の原因と誤解されやすいです。混同注意:「症状」と「原因」の混同。頻尿は膀胱刺激症状の一つですが、何がその頻尿を引き起こしているのかを問う問題です。
- 4. 前立腺肥大症では、膀胱の壁が厚くなるなどして物理的な器質的容量が減少するわけではありません。残尿が増加することで、実際に貯留できる尿量が減るため「機能的」な膀胱容量は減少しますが、「器質的」な構造変化による減少とは異なります。正しくは:前立腺肥大症による頻尿は、膀胱の物理的構造が変化する「器質的」な容量減少ではなく、残尿増加によって尿を貯められるスペースが少なくなる「機能的」な容量減少が原因です。選びやすい理由:頻尿の原因として膀胱の容量が減少するというのは正しい側面がありますが、「器質的」という言葉に注意が必要です。残尿によって「機能的」な容量が減少します。混同注意:「器質的膀胱容量の減少」(膀胱そのものの物理的変化)と「機能的膀胱容量の減少」(残尿などにより実際に貯められる量が減ること)の混同。
国試ポイント
前立腺肥大症の基本的な病態生理と、それによって引き起こされる主要な症状(特に頻尿)の直接的な原因について理解しているかを問う問題です。原因と結果、および関連する医学用語の正確な理解が求められます。
混同注意
頻尿と多尿の違い、膀胱刺激症状が原因なのか結果なのか、器質的膀胱容量と機能的膀胱容量の違いが混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の病態生理を問う問題が出題された際は、提示された症状がどのようなメカニズムで生じているのか、特に「原因」と「結果」の関係性を明確に区別して判断することが重要です。病気の原因となる直接的な変化に注目しましょう。
関連知識
前立腺肥大症の他の症状(排尿困難、尿勢低下、夜間頻尿、尿失禁など)、診断方法(直腸診、PSA検査、尿流量測定など)、治療法(薬物療法、手術療法)。また、加齢に伴う排尿機能の変化についても関連知識として重要です。