子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
子宮頸癌の主要な組織型は扁平上皮癌であり、これは子宮頸部を覆う扁平上皮細胞が異常増殖することによって発生します。特に、子宮頸部の扁平上皮と腺上皮の移行帯は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染による癌化が起こりやすい部位です。
選択肢ごとの解説
- 1. 子宮筋細胞は子宮の筋肉を構成する細胞で、子宮頸癌の主要な発生源ではありません。子宮筋腫などの良性腫瘍の原因となることはありますが、子宮頸癌とは異なる病態です。正しくは:子宮頸癌は上皮細胞から発生します。選びやすい理由:「子宮」という部位が共通しているため、子宮に関する細胞として選択肢に入れられやすいです。混同注意:子宮筋腫や子宮肉腫。
- 2. 神経芽細胞は未熟な神経細胞であり、主に交感神経系に発生する神経芽腫の原因となる細胞です。子宮頸癌とは発生部位も組織型も全く異なります。正しくは:子宮頸癌は上皮細胞から発生します。選びやすい理由:「芽細胞」という語が未分化な細胞を連想させ、癌細胞と結びつけやすいかもしれません。混同注意:神経芽腫。
- 3. 線維芽細胞は結合組織を構成する細胞で、コラーゲンなどを産生します。肉腫(例:線維肉腫)の原因となることはありますが、子宮頸癌は上皮細胞由来の癌腫であり、線維芽細胞が直接異常増殖して癌になるわけではありません。癌組織の周囲では活性化することがありますが、癌本体ではありません。正しくは:子宮頸癌は上皮細胞から発生します。選びやすい理由:癌組織の間質には線維成分が多く見られるため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:線維肉腫や、癌の増殖に伴う間質の変化。
- 4. 平滑筋細胞は子宮筋層などの内臓を構成する筋肉の細胞です。子宮に発生する良性腫瘍である子宮筋腫は平滑筋細胞由来ですが、子宮頸癌は上皮細胞から発生するため、平滑筋細胞の異常増殖とは異なります。正しくは:子宮頸癌は上皮細胞から発生します。選びやすい理由:子宮筋腫の原因細胞として知られており、子宮に関する疾患の知識と混同しやすいです。混同注意:子宮筋腫や平滑筋肉腫。
- 5. 正解。子宮頸癌の約80~90%は扁平上皮癌であり、子宮頸部の扁平上皮細胞がヒトパピローマウイルス(HPV)感染を契機に異常増殖することで発生します。特に、扁平上皮と腺上皮の境目である移行帯が癌化しやすい部位とされています。
国試ポイント
子宮頸癌の主要な病理組織型と、その発生源となる細胞(扁平上皮細胞)に関する基本的な知識が問われています。癌が発生する組織の種類を正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
子宮頸癌以外の婦人科腫瘍の発生源となる細胞(例:子宮筋腫の平滑筋細胞、子宮体癌の腺細胞)や、一般的に癌の構成要素となる他の細胞(例:線維芽細胞)との混同。部位と組織型を結びつける正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
今後、子宮頸癌の他の組織型(腺癌)の発生源や、子宮体癌や子宮肉腫など、他の婦人科がんの発生源となる細胞(例:子宮内膜腺細胞、平滑筋細胞)について問われる可能性があります。また、HPV感染のメカニズムや、子宮頸癌検診(細胞診)で評価される細胞についてなど、より深い知識が問われることも考えられます。
関連知識
子宮頸部の解剖学的構造(扁平上皮、腺上皮、移行帯)、子宮頸癌の主な病理組織型(扁平上皮癌、腺癌)、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頸癌の関連、癌腫と肉腫の区別。