自動体外式除細動器〈AED〉による電気的除細動の適応となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
心室細動は、心室の個々の心筋が無秩序に興奮し、効果的な心室収縮が失われ心拍出量がゼロとなる状態です。AEDによる電気的除細動は、この無秩序な興奮をリセットし、洞調律への再開を促すことで、心室のポンプ機能を回復させることを目的としています。
選択肢ごとの解説
- 1. 心静止は心臓の電気的活動が完全に停止した状態であり、AEDによる電気的除細動は無効です。除細動は、不整な電気活動をリセットするものであり、電気活動がない状態には効果がありません。正しくは:心肺蘇生と薬物療法が中心となる。選びやすい理由:致死的な不整脈であるため、AEDが有効であると誤解しやすい。混同注意:心室細動(致死的な不整脈である点は共通だが、電気的活動の有無が異なる)。
- 2. 心房細動は心房の不規則な興奮であり、直ちに致死的となる不整脈ではありません。AEDによる除細動は通常行われず、抗凝固療法やリズムコントロール、レートコントロールが治療の中心となります。ただし、血行動態が不安定な場合は緊急で同期下カルディオバージョン(除細動とは異なる)が考慮されることがあります。正しくは:治療の中心は抗凝固療法、レートコントロール、リズムコントロールである。選びやすい理由:「細動」という言葉から、心室細動と同様に除細動が適応されると誤解しやすい。混同注意:心室細動(「細動」という言葉は共通だが、興奮部位と緊急性が大きく異なる)。
- 3. 正解。心室細動は、心室の心筋がバラバラに興奮し、心臓がポンプ機能を果たせなくなる致死性の不整脈です。AEDによる電気的除細動は、心臓の電気活動を一時的に停止させ、正常な洞調律への回復を促すための唯一の有効な治療法です。選びやすい理由:(正答のため該当なし)
- 4. 房室ブロックは心房から心室への電気刺激伝達が障害されることで生じる徐脈性不整脈です。AEDによる電気的除細動は、伝導障害に対する治療法ではなく、無効です。正しくは:治療にはペースメーカー植え込みが考慮される。選びやすい理由:不整脈の一種であるため、AEDが有効であると誤解しやすい。混同注意:心室細動(不整脈である点は共通だが、原因、病態、治療法が異なる)。
国試ポイント
AEDの適応となる致死性不整脈は心室細動と無脈性心室頻拍であることを理解する。
混同注意
心静止と心室細動の波形の違い、およびAEDの適応の違い。心房細動と心室細動では致死性が大きく異なる点。
次に同じ論点が出たら
AEDの適応に関する問題が出た場合は、心室細動と無脈性心室頻拍の2つの致死性不整脈が選択肢にあるかを確認し、心静止や心房細動、房室ブロックなどの除細動が適応とならない不整脈と区別して判断する。
関連知識
心室細動と無脈性心室頻拍は除細動の適応となる致死性不整脈である。心静止は電気的活動がないため除細動は無効であり、心肺蘇生と薬物療法が主体となる。心房細動は直ちに致死的ではないが、心原性脳塞栓症のリスクがある。房室ブロックは徐脈性不整脈であり、ペースメーカーの適応となる場合がある。