術中の仰臥位の保持によって発生することがある腕神経叢麻痺の原因はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
仰臥位で上肢を90度以上に外転させ、さらに肩関節が伸展するような体位を長時間とると、腕神経叢(特に腋窩神経や正中神経の一部)が過度に伸張されたり、胸郭出口部で圧迫されたりすることがあります。これにより、神経への血流が阻害されたり、物理的な損傷を受けたりして、術後腕神経叢麻痺を引き起こす主な原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 上腕への圧迫も神経損傷の原因となることがありますが、腕神経叢麻痺の主要な原因は、神経叢自体への伸張や圧迫です。上腕の持続的圧迫は主に橈骨神経麻痺などを引き起こす可能性があります。正しくは:上腕への持続的圧迫は、腕神経叢より末梢の神経(例:橈骨神経)の損傷につながることがあります。選びやすい理由:圧迫というキーワードから、神経損傷を連想しやすい。しかし、腕神経叢はより広範囲の神経の束である。混同注意:末梢神経麻痺(橈骨神経麻痺など)の原因と腕神経叢麻痺の原因を混同しやすい。
- 2. 前腕の持続的な回外は、直接的な腕神経叢麻痺の原因とはなりません。特定の姿勢が長期にわたると、末梢神経に影響を与える可能性はありますが、腕神経叢の損傷に直結する因子ではありません。正しくは:前腕の回外持続は、腕神経叢麻痺の直接的な原因ではありません。選びやすい理由:手術中の不自然な肢位が神経損傷につながるという一般的な知識から選びやすい。混同注意:手術中の様々な体位による神経損傷の可能性と、腕神経叢麻痺の直接的な原因を混同しやすい。
- 3. 肘関節への持続的な圧迫は、尺骨神経麻痺などの末梢神経麻痺を引き起こす主な原因となりますが、腕神経叢全体の麻痺の主要な原因ではありません。腕神経叢はより上位、頸部から腋窩にかけて存在します。正しくは:肘関節への持続的圧迫は、主に尺骨神経麻痺の原因となります。選びやすい理由:特定の関節への圧迫が神経損傷につながるという点で、腕神経叢麻痺と関連付けてしまいがち。混同注意:尺骨神経麻痺の原因と腕神経叢麻痺の原因を混同しやすい。
- 4. 正解。仰臥位での上肢の90度以上の外転位は、肩関節の伸展を伴うと、腕神経叢が鎖骨と第1肋骨の間、または烏口突起の下で圧迫・伸張されやすくなります。特に長時間この体位が続くと、神経叢への血流障害や物理的損傷が発生し、腕神経叢麻痺の原因となります。選びやすい理由:この選択肢が正解であるため、迷う要素は少ないはずだが、他の選択肢も神経損傷を示唆するため注意が必要。混同注意:他の神経損傷の原因となる体位と区別することが重要。
国試ポイント
手術中の体位とそれに関連する神経損傷(特に腕神経叢麻痺)の原因について問う問題です。特定の体位がどの神経に影響を与えるかを理解しているかが重要です。
混同注意
末梢神経(尺骨神経、橈骨神経など)の圧迫による麻痺と、腕神経叢全体の麻痺の原因を混同しやすい。腕神経叢は頸部から腋窩にかけての神経の束であり、より広範囲の障害を引き起こします。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われたら、各体位でどの神経が、どの部位で、どのような機序(圧迫、伸張、虚血など)で損傷されやすいかを詳細に確認する。
関連知識
手術中の体位管理の重要性、各神経の走行と圧迫されやすい部位、仰臥位以外の体位(側臥位、腹臥位、砕石位など)で発生しやすい神経損傷の種類と原因。