看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
看護業務の中断がヒヤリハットの一因となっている状況で、特定の個人に責任を押し付けるのではなく、業務中断時の対応ルールを病棟全体で検討し、標準化することで、同様のヒヤリハットが再発するリスクを組織全体として低減できます。これはシステムの問題として捉え、組織的な改善を図るアプローチです。
選択肢ごとの解説
- 1. ヒヤリハットの原因が業務中断によるものであり、看護師A個人の能力や注意力の問題に矮小化すべきではありません。組織全体で業務プロセスを見直し、改善策を講じる必要があります。正しくは:組織全体で業務中断時の対応策を協議し、標準化する。選びやすい理由:当事者が最も状況を把握しているため、対策立案に参加させること自体は重要ですが、責任を個人に負わせる形は適切ではありません。混同注意:個人教育とシステム改善の区別。
- 2. 看護師Aを注射業務から外すことは、問題の根本的な解決にはなりません。業務中断時のシステム上の問題が解決されなければ、別の看護師が同様の状況でヒヤリハットを経験する可能性があります。また、これは人材の有効活用を阻害し、士気を低下させる可能性があります。正しくは:業務中断時の対応に関する対策を病棟全体で協議し、再教育や業務プロセスの改善を行う。選びやすい理由:安全を確保するためには、リスクのある業務から対象者を外すという直接的な解決策に見えるため。混同注意:問題解決と安易な人員配置変更。
- 3. 正解。業務中断は医療現場で頻繁に発生し、ヒューマンエラーのリスクを高める要因です。このヒヤリハットは看護師A個人の問題ではなく、業務中断時の対応ルールが不明確であったり、対策が不十分であったりする可能性を示唆しています。病棟全体で協議し、標準的な対応策を確立することで、同様のヒヤリハットの再発防止につながります。選びやすい理由:システム全体の問題として捉え、組織的な改善を目指す視点が最も適切であるため。混同注意:適切なシステム改善と個人への責任転嫁の区別。
- 4. ヒヤリハットが発生した場合、再発防止策は可能な限り速やかに検討・実施されるべきです。半年後にカンファレンスを実施する計画では、その間に同様のヒヤリハットやアクシデントが発生するリスクが高まります。正しくは:ヒヤリハット発生後、速やかに再発防止カンファレンスを実施し、対策を立案・実行する。選びやすい理由:カンファレンスの実施は対策として正しいが、時期が適切ではない点を見落としやすい。混同注意:対策の必要性と実施時期の適切性。
国試ポイント
医療安全における組織的対策の重要性とその具体例。
混同注意
個人の過失とシステム上の問題の区別。
次に同じ論点が出たら
医療安全に関する問題では、個人の責任追及ではなく、システムや組織全体での対策を問う選択肢が最も適切と判断する。
関連知識
ヒューマンエラーの要因分析(スイスチーズモデルなど)、リスクマネジメントの基本原則、RCA(根本原因分析)。