がん患者の家族における社会的苦痛はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
癌患者の治療が長期化し、それに伴う医療費の増大や介護負担は、家族の経済状況や生活様式、社会活動に直接的な影響を与えます。これにより、家族の生活水準の維持、就労、社会参加が困難になることへの不安は、社会的苦痛として認識されます。
選択肢ごとの解説
- 1. これは主に情報収集や治療方針決定に関する精神的・心理的苦痛であり、社会的苦痛とは異なる区分です。正しくは:癌患者の治療費が高額になることで、家計が逼迫し生活水準が低下する不安。選びやすい理由:家族の治療に関する不安は、家族が抱える苦痛として非常に現実的であるため、苦痛の種類を問う問題であることを忘れると選びやすいです。混同注意:精神的苦痛、倫理的苦痛と混同しやすいです。
- 2. これは病気の受容に関する精神的、あるいはスピリチュアルな苦痛に該当し、社会的苦痛ではありません。正しくは:家族の介護のために仕事を辞めざるを得なくなり、社会的な役割を失うことへの苦痛。選びやすい理由:家族が病気になるという状況で多くの人が抱く感情であるため、共感しやすいです。しかし、苦痛の種類を正確に分類する必要があります。混同注意:精神的苦痛、スピリチュアルペインと混同しやすいです。
- 3. これは患者への共感や無力感からくる精神的苦痛であり、社会的苦痛とは区別されます。正しくは:家族の病状が進行し、社会とのつながりが希薄になることで、家族自身の孤立感が増すことへの苦痛。選びやすい理由:家族愛や献身の表れとして非常に強い感情であるため、苦痛全般として捉えてしまいがちです。混同注意:精神的苦痛と混同しやすいです。
- 4. 正解。経済的な問題は社会生活を維持する上で直接的な影響を及ぼし、社会的役割や生活基盤の不安定化につながるため、社会的苦痛に該当します。
国試ポイント
がん患者だけでなく、その家族が抱える苦痛を身体的、精神的、社会的、スピリチュアルの4つの側面(全人的苦痛)に分類し、具体例を理解しているか問う問題です。特に「社会的苦痛」の具体的な内容を正確に識別できる能力が求められます。
混同注意
精神的苦痛(不安、悲しみ、怒りなど)、スピリチュアルペイン(病の意味、人生の価値、運命への問いなど)と社会的苦痛(経済的問題、役割変化、孤立など)の区別が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
問題文が「全人的苦痛のどの側面」を問うているのか、具体的な状況描写からどの苦痛に分類されるかを正確に判断できるよう、各苦痛の定義と典型例を復習すること。特に、社会的苦痛が経済的問題や役割変化と強く結びついている点を再確認する。
関連知識
全人的苦痛(トータルペイン)の概念とその4つの側面(身体的、精神的、社会的、スピリチュアル)。がん医療における家族看護の重要性。経済的な支援制度(高額療養費制度、傷病手当金など)に関する基礎知識。家族の役割変化(介護者としての負担、稼ぎ手としての不安)。