終末期癌患者にみられる悪液質の徴候はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
悪液質は、がんの進行によって引き起こされる複雑な代謝症候群であり、その最も特徴的な徴候は、食事摂取量の減少にかかわらず進行性の体重減少(特に筋肉量と脂肪量の減少)です。全身性の炎症反応が関与し、食欲不振、疲労、貧血なども伴います。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。悪液質は、癌の進行に伴う全身性の炎症反応や代謝異常によって引き起こされる複合的な症候群であり、その中心的な特徴が骨格筋と脂肪組織の減少による著しい体重減少です。
- 2. がん性疼痛は終末期癌患者によく見られる症状ですが、悪液質そのものの直接的な徴候ではありません。悪液質は栄養状態の悪化と代謝異常に焦点を当てた状態です。正しくは:がん性疼痛は直接的な悪液質の徴候ではなく、がん自体や治療による症状です。悪液質の徴候としては、体重減少、筋力低下、全身倦怠感などが挙げられます。選びやすい理由:終末期癌患者に頻繁に見られる症状であるため、関連が深いと誤解しやすいです。混同注意:悪液質と終末期癌患者の一般的な症状全般を混同しやすいです。悪液質は特に栄養代謝異常とそれに伴う身体組成の変化を指します。
- 3. リンパ浮腫はがんの治療(手術、放射線治療)やがんの浸潤によってリンパ流が妨げられることで生じるもので、悪液質の直接的な徴候ではありません。正しくは:リンパ浮腫はリンパ系の機能不全によるもので、悪液質とは別の病態です。悪液質の徴候は、全身性の消耗と代謝異常に関連するものです。選びやすい理由:がん患者に合併することがあるため、一見関連があるように思えるかもしれません。混同注意:がん患者に起こりうる様々な合併症の一つとして、悪液質と区別がつきにくい場合があります。悪液質は全身性の消耗性疾患です。
- 4. 末梢神経障害は、特定の抗がん剤の副作用や、がんの直接的な浸潤、あるいは傍腫瘍症候群として現れることがありますが、悪液質の中心的な徴候ではありません。正しくは:末梢神経障害は特定の治療や疾患の直接的な影響で起こるもので、悪液質とは異なる病態です。悪液質の徴候は、エネルギー消費の増加やタンパク質異化亢進に由来します。選びやすい理由:終末期癌患者において、治療の副作用やがんの進行に伴い発生しうるため、関連症状の一つとして誤解されやすいです。混同注意:がん患者の多様な身体症状や治療の副作用と悪液質を混同しやすいです。悪液質は主に全身の消耗と栄養代謝の異常に焦点を当てています。
国試ポイント
終末期癌患者における悪液質の本質的な病態と主要な徴候を理解しているかが問われています。悪液質は単なる低栄養状態ではなく、全身性の炎症と代謝異常が背景にあることを認識することが重要です。
混同注意
終末期癌患者に共通して見られる他の症状(疼痛、倦怠感、浮腫、治療の副作用など)と、悪液質に特有の徴候を混同しやすい点が狙われています。悪液質は特に「意図しない体重減少」が核心です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、悪液質の定義だけでなく、その進行度を評価するための具体的な指標(例:体重減少率、身体活動能力スコア、C反応性タンパク質値など)や、適切な栄養介入・症状緩和ケアの内容を問われる可能性があります。
関連知識
悪液質の定義、病態生理(炎症性サイトカイン、異化亢進など)、評価指標(体重減少率、BMI、食欲不振、炎症マーカーなど)、悪液質サイクル、看護ケア(栄養サポート、症状緩和、心理的サポート、活動量の維持など)。食欲不振と悪液質の違いも理解しておく必要があります。