クロストリジウム・ディフィシレ(ディフィシル)による下痢を発症している患者の陰部洗浄をベッド上で行う際の個人防護具を着用した看護師の写真(別冊No. 3)を別に示す。適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
クロストリジウム・ディフィシル感染症は、主に便中の芽胞を介した接触感染で拡大します。下痢症状がある患者の陰部洗浄を行う際には、排泄物との接触が高頻度で予想されるため、個人防護具の適切な着用が不可欠です。具体的には、手袋、ガウン、マスク、眼の防護(ゴーグルまたはフェイスシールド)が推奨されます。特にガウンと手袋は、皮膚の露出を避けるために、手袋がガウンの袖口を覆うように着用することが重要です。Dの写真は、これらすべての個人防護具が適切に装着されている状態を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 「A」の写真は、ガウンが手首まで届いておらず、露出部分があります。クロストリジウム・ディフィシルは接触感染対策が重要であり、体液や排泄物からの汚染を防ぐため、ガウンは手首まで完全に覆う丈の長いものが必要です。正しくは:ガウンは手首まで完全に覆う丈の長いものを着用するべきです。選びやすい理由:一見ガウンを着用しているように見えるため、正しいと誤解する可能性があります。混同注意:適切なガウンの選択基準(長さ、袖口のフィット感)との混同。
- 2. 「B」の写真は、マスクが鼻の下まで下がっており、鼻が露出しています。飛沫感染のリスクがある場面では、マスクは鼻と口を完全に覆うように正しく着用する必要があります。正しくは:マスクは鼻と口を完全に覆うように着用するべきです。選びやすい理由:マスクを着用していること自体は正しい行為ですが、着用方法の不適切さを見落としがちです。混同注意:マスク着用が必須であることと、正しい着用方法の区別。
- 3. 「C」の写真は、手袋がガウンの袖口の上から着用されています。クロストリジウム・ディフィシル感染症では、排泄物による汚染を防ぐため、手袋はガウンの袖口を覆うように着用し、皮膚が露出しないようにする必要があります。正しくは:手袋はガウンの袖口を覆うように着用するべきです。選びやすい理由:手袋を着用しているため、ある程度適切に見えますが、袖口の処理の不適切さを見落とす可能性があります。混同注意:手袋の着用自体と、重ね着の順番・方法の適切性との混同。
- 4. 正解。「D」の写真は、ガウンが手首まで完全に覆われ、手袋はガウンの袖口を覆うように着用されています。マスクは鼻と口をしっかりと覆い、ゴーグルまたはフェイスシールドも装着されています。クロストリジウム・ディフィシルによる下痢患者のケアでは、接触感染予防が最も重要であり、排泄物による汚染を防ぐために、これらの個人防護具を適切に装着することが求められます。選びやすい理由:完璧な装着状態であるため、これを選ぶことは直感的です。混同注意:他の選択肢と違い、すべてが正しく装着されているため、特に混同する点はありません。
国試ポイント
クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する標準予防策と接触予防策の知識、特に個人防護具(PPE)の正しい選択と着用方法を問う問題です。写真判読を通じて、実践的な感染管理能力が試されます。
混同注意
標準予防策と感染経路別予防策(特に接触予防策)の区別、また各個人防護具の正しい装着手順と目的を混同しやすいです。特に、手袋とガウンの着用の順番や、マスク・ゴーグルの必要性の判断が曖昧になることがあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず問われている感染症の感染経路を特定し、それに対応する感染経路別予防策(接触、飛沫、空気感染)を想起する。次に、その予防策に必要な個人防護具が何か、そしてそれらが正しく、皮膚や粘膜の露出がないように着用されているかを写真から細かく判断する。
関連知識
・クロストリジウム・ディフィシル感染症の感染経路と予防策(接触予防策) ・個人防護具の種類と着用手順(着脱の順番) ・標準予防策の具体的な内容 ・医療関連感染(HAI)の予防と管理