乳房温存療法で放射線治療を受ける乳癌患者への説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
乳房温存療法における放射線治療は、病変のある乳房およびその周辺に外部から放射線を照射するものです。正確な治療を行うため、治療計画時に皮膚に照射野を示すマーキング(印)を施します。これは毎回の治療で照射位置を再現するために不可欠な処置です。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳房への放射線治療では、治療範囲が頭部ではないため、頭髪の脱毛は通常起こりません。脱毛は放射線が照射された部位に限られます。正しくは:「照射部位の体毛が抜ける可能性があります」選びやすい理由:放射線治療全般には脱毛のイメージがあるが、照射部位に限定される点を誤解しやすい。混同注意:抗がん剤治療による全身性脱毛と放射線治療による局所性脱毛を混同している。
- 2. 乳房への放射線治療では、治療範囲が食道や咽頭ではないため、嚥下障害は予測されません。嚥下障害は頭頸部や胸部の広範囲な放射線治療で起こり得ます。正しくは:「治療部位によっては、痛みや炎症が生じることがあります」選びやすい理由:胸部に近いため、影響があるのではないかと推測してしまう。混同注意:放射線治療の副作用全般と、乳房への照射による特異的な副作用を混同している。
- 3. 正解。放射線治療では、正確に照射部位を特定し、毎回の治療で同じ位置に照射するために、皮膚にマーキング(目印)を行うことが一般的です。選びやすい理由:患者にとって少し抵抗がある説明内容のため、他の選択肢に目が行きやすいかもしれない。混同注意:マーキングの必要性や、それが一時的なものであることの理解が不十分だと、不要な処置と誤解する可能性がある。
- 4. 体外からの放射線治療(外部照射)では、体内に放射性物質が残ることはないため、治療後に患者から放射線が放出されて同居家族が被曝する心配はありません。正しくは:「外部からの放射線治療では、ご家族への被曝の心配はありません」選びやすい理由:放射線という言葉から、被曝への漠然とした不安を患者や家族が抱きやすいことを考慮すると、注意が必要だと感じてしまう。混同注意:外部照射と、体内照射(密封小線源治療など)で放射性物質が体内に留まる治療を混同している。
国試ポイント
乳癌の放射線治療における看護師の説明内容として、具体的な処置や副作用の理解を問う問題です。放射線治療の種類(外部照射、内部照射)による違いや、副作用が照射部位に特異的であることを理解しているかが重要となります。
混同注意
放射線治療は種類が多く、副作用も多岐にわたるため、個々の治療法とそれに伴う具体的な副作用を正確に結びつけられないと誤答につながりやすいです。特に外部照射後の家族への被曝の有無、全身性の脱毛と局所性の脱毛は混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
患者がマーキングに対して不安や抵抗を示した場合、その意味と一時的なものであることを丁寧に説明し、心理的サポートを提供できるか。
関連知識
放射線治療の原理、放射線皮膚炎のケア、治療に伴う倦怠感への対応、リンパ浮腫のリスクと予防、放射線治療後の乳房の変化に関する情報提供。