高次脳機能障害のある患者が買い物に行った際に示す行動で失行はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
失行とは、運動麻痺や感覚障害がないにもかかわらず、既知の動作や道具の操作を意図的に行うことができない状態を指します。買い物かごの使い方が分からないという行動は、道具を操作する行為の障害であるため、失行に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. これは記憶障害(特に展望的記憶障害)の症状であり、失行とは異なります。行為の仕方が分からなくなるのが失行です。正しくは:記憶障害の症状である。選びやすい理由:高次脳機能障害の様々な症状の一つであるため、混同しやすい。混同注意:記憶障害は「何をすべきか忘れる」のに対し、失行は「どうやってすべきか忘れる」と区別する。
- 2. 正解。失行とは、運動機能に異常がないにもかかわらず、目的のある動作を遂行できない状態を指します。買い物かごの使い方が分からないのは、道具の操作に関する行為の遂行能力が障害されているため、失行(観念運動失行や観念失行の一部)に該当します。正しくは:正しい。選びやすい理由:直接的な動作に関する問題であり、失行の定義に合致する。混同注意:失行は単なる不器用さや運動麻痺とは異なることに注意する。
- 3. これは実行機能障害(計画性の障害)の症状であり、失行ではありません。具体的な動作の障害ではなく、計画や思考の障害です。正しくは:実行機能障害の症状である。選びやすい理由:買い物という複合的な行動の一部であるため、高次脳機能障害の他の症状と混同しやすい。混同注意:実行機能障害は「何をするべきか計画できない」のに対し、失行は「具体的な行動の仕方が分からない」と区別する。
- 4. これは空間認識障害や記憶障害(地誌的記憶障害)の症状であり、失行とは異なります。道順をたどるという行為そのものではなく、空間情報の処理や記憶が障害されています。正しくは:空間認識障害や記憶障害の症状である。選びやすい理由:方向感覚の喪失も高次脳機能障害でよく見られるため、誤って選択しやすい。混同注意:道に迷うのは空間の認識や記憶の障害であり、体の動かし方が分からなくなる失行とは異なる。
国試ポイント
高次脳機能障害の様々な症状(失行、失認、失語、記憶障害、実行機能障害など)を正確に理解し、それぞれの症状がどのような具体的な行動として現れるかを区別できるかが問われています。特に、失行と他の障害との鑑別が重要です。
混同注意
失行、失認、記憶障害、実行機能障害など、高次脳機能障害の各症状は互いに混同しやすい。それぞれの定義と具体的な行動例をしっかりと紐付けて覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
患者の具体的な行動から、どの高次脳機能障害に該当するかを判断する能力は、看護師として患者のアセスメントや支援計画立案に不可欠である。
関連知識
失行には、観念運動失行、観念失行、肢節運動失行、構成失行、着衣失行など複数の種類がある。本問のケースは、観念運動失行や観念失行の一部と考えられます。