バソプレシンが作用する腎臓の部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
バソプレシンは抗利尿ホルモンとも呼ばれ、腎臓の集合管において水チャンネルであるアクアポリン2の細胞膜への組み込みを促進し、水の再吸収を増加させます。これにより、尿量が減少(抗利尿作用)し、体液の浸透圧が維持されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 糸球体は血液の濾過を行う部位であり、バソプレシンの直接的な作用部位ではありません。正しくは:糸球体は血液の濾過に関与します。選びやすい理由:腎臓の主要な構造であるため、関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:レニン・アンジオテンシン系などが糸球体濾過に影響を与えるため、ホルモン作用と混同する可能性があります。
- 2. 正解。バソプレシン(抗利尿ホルモン)は、集合管に存在するV2受容体に結合し、アクアポリン2の発現を促進することで水再吸収を増加させ、尿量を減少させます。
- 3. 遠位尿細管でも水分の再吸収が行われますが、バソプレシンの主な作用部位は集合管です。ただし、バソプレシンは遠位尿細管の後半部分にも作用します。正しくは:遠位尿細管の後半部分にはバソプレシン受容体が存在し、水分の再吸収に関与しますが、主要な作用部位は集合管です。選びやすい理由:水再吸収に関わるため、正解に近いと感じるかもしれません。混同注意:遠位尿細管と集合管の機能が連続しているため、混同しやすいです。
- 4. 近位尿細管は、尿細管液中の約65%の水と大部分の溶質を再吸収する部位ですが、バソプレシンの作用を直接受ける部位ではありません。正しくは:近位尿細管は主にグルコース、アミノ酸、電解質、水の再吸収を行います。選びやすい理由:最も多くの水が再吸収される部位であるため、ホルモンの作用部位と考えがちです。混同注意:水再吸収の大部分がここで行われるため、バソプレシンの作用と結びつけやすいですが、これは浸透圧勾配による受動的な再吸収です。
- 5. Henleのループは、尿の濃縮に重要な役割を果たしますが、バソプレシンが直接作用する主要な部位ではありません。ただし、バソプレシンは上行脚での尿素輸送を促進する作用があります。正しくは:Henleのループは、髄質の浸透圧勾配を形成し維持する役割を担います。選びやすい理由:尿の濃縮に関与するため、バソプレシンと関連があるように思えます。混同注意:集合管とHenleのループが尿の濃縮に協調して働くため、作用部位を混同する可能性があります。
国試ポイント
バソプレシン(抗利尿ホルモン)の作用機序と主な作用部位(集合管)を正確に理解しているかが問われる問題です。腎臓の各部位の機能と、それに影響を与えるホルモンの知識が重要です。
混同注意
遠位尿細管も水再吸収に関与するため、集合管との区別が難しい場合があります。しかし、バソプレシンの主要な作用は集合管におけるアクアポリン2の発現促進です。
次に同じ論点が出たら
バソプレシンが不足した場合にどのような症状が現れるか、またはSIADHの場合の看護上の注意点などを問う問題へ発展する可能性があります。
関連知識
バソプレシンの過剰分泌によるSIADH(抗利尿ホルモン不適切分泌症候群)や、分泌不足による尿崩症といった疾患にも関連する知識です。また、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系との違いや、浸透圧の調整機構全体を理解することが重要です。