朝9時に大規模地震が発生した。病棟の患者と職員の安全は確認できた。病棟内の壁や天井に破損はなかったが、病院は、停電によって自家発電装置が作動した。病棟の看護師長が行う対応で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
大規模地震発生後、病棟の安全性(壁・天井の破損なし)や患者・職員の安全確認はできたものの、停電により自家発電が作動している状況です。このような災害発生時においては、常に最悪の事態を想定し、患者の安全を最優先に考える必要があります。避難が必要となった場合に備え、避難経路に二次的な損傷や障害が発生していないか、また照明が適切に機能しているかなどをスタッフに確認させることは、看護師長として非常に重要な初動対応です。これにより、迅速かつ安全な避難が可能となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 災害対策本部の設置は病院全体の対応であり、看護師長が行う個別の病棟業務ではありません。病院の最高責任者や管理者層が指揮を執るべき事項です。正しくは:病院の最高責任者や管理者層が指示・実施する。選びやすい理由:大規模災害なので本部が必要だと考えてしまう。混同注意:病棟内の役割と病院全体の役割の区別がつかない。
- 2. 災害時マニュアルの整備や見直しは、災害発生『前』に行うべき事前準備の項目です。災害発生『時』の緊急対応としては適切ではありません。正しくは:災害発生前に実施する。選びやすい理由:マニュアルが重要だと考えるため。混同注意:災害発生時の行動と事前準備の区別がついていない。
- 3. 本設問の状況では、病棟の患者と職員の安全は確認されており、壁や天井の破損もないとされています。自家発電が作動していることから、直ちに隣接病棟へ支援を求める緊急性や必要性は低いと考えられます。まずは自病棟内の状況を把握・確認することが優先されます。正しくは:自病棟内で対応困難な場合や被害が甚大である場合に検討する。選びやすい理由:大規模災害なので互助を考える。混同注意:自病棟の状況把握よりも先に外部への連携を優先してしまう。
- 4. 正解。大規模地震により停電が発生し、自家発電装置が作動している状況では、建物の一部に損壊がなくても、避難経路に障害物がないか、照明は適切か、ドアの開閉に問題はないかなど、患者を安全に避難させるための経路の確保は非常に重要です。看護師長は、万一の事態に備え、避難経路の安全性を確認するようスタッフに指示することが適切な初期対応です。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:自家発電が作動しているので安全と考えてしまう。混同注意:停電の影響と避難経路の関連性を軽視してしまう。
国試ポイント
災害時における看護師長の初動対応の優先順位を問う問題です。特に、生命の安全確保と機能維持のための確認行動の重要性を理解しているかが問われます。
混同注意
災害時マニュアルの整備や災害対策本部の設置は、適切な対応ではあるものの、看護師長の『初動』かつ『病棟レベル』の対応としては優先度が低いか、役割が異なります。隣接病棟への支援要請も、自病棟の状況が安定している段階では、まず自病棟内の確認が優先されます。
次に同じ論点が出たら
避難経路の安全が確認された後、看護師長は病棟内の医療機器の稼働状況や患者の状態変化(特に精神的な影響)を継続的に評価し、必要に応じて病院全体の災害対策本部への報告や情報共有を行う必要があります。
関連知識
災害時医療救護活動の原則、トリアージ、災害サイクル(急性期、亜急性期、慢性期、復興期)、災害対策基本法、医療機関の事業継続計画(BCP)における看護の役割。