複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
腹直筋は、その筋腹の間に横走する腱画(けんかく)があり、これにより複数の筋腹が直列に連結しているように見える特徴的な構造をしています。これは、腹直筋を構成する筋線維が腱画によって分断され、それぞれが独立した筋腹のように機能するためです。この構造は、体幹の屈曲時に腹直筋全体に均等に力が分散されるのに役立っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 咬筋は咀嚼筋の一つで、単一の筋腹を持ち、頬骨弓から下顎骨に付着します。複数の筋腹が直列につながる構造ではありません。正しくは:咬筋は単一の筋腹を持つ咀嚼筋です。選びやすい理由:顔面の大きな筋肉であるため、複雑な構造を持つと誤解される可能性があります。混同注意:広範囲に広がる顔面表情筋や、複数の頭を持つ筋肉(例:上腕二頭筋)と混同するかもしれません。
- 2. 上腕二頭筋は「二頭」という名前の通り、起始部が2つの頭に分かれていますが、これらは腱を介して直列につながっているのではなく、合流して1つの筋腹を形成し、橈骨粗面に停止します。筋腹は1つです。正しくは:上腕二頭筋は2つの頭(起始部)を持つが、筋腹は一つであり、腱で直列につながる構造ではありません。選びやすい理由:「二頭」という名前に惑わされ、複数の筋腹があるように感じやすいです。混同注意:「複数の頭を持つ筋肉」と「複数の筋腹が直列につながる筋肉」を混同しやすいです。
- 3. 正解。腹直筋は、肋骨から恥骨結合にかけて走行する筋肉で、その途中に「腱画(けんかく)」と呼ばれる3〜4本の横方向の腱性結合が横切っています。これにより、あたかも複数の筋腹が直列に並んでいるかのように見えます(いわゆる「シックスパック」の構造)。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため特になし)混同注意:(正答のため特になし)
- 4. 大腿四頭筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つの筋肉の総称で、「四頭」という名前の通り、4つの筋肉が合流して一つの腱(膝蓋腱)となり、膝蓋骨を介して脛骨粗面に付着します。これらは並列に存在する4つの筋であり、複数の筋腹が直列に腱でつながる構造ではありません。正しくは:大腿四頭筋は4つの筋肉(筋腹)が並列に合わさって1つの腱にまとまる構造です。選びやすい理由:「四頭」という名前に惑わされ、複雑な構造を持つ筋肉として、複数の筋腹が直列につながっていると誤解されやすいです。混同注意:「複数の頭を持つ筋肉」や「複数の筋肉から構成される複合筋」と、「複数の筋腹が直列につながる筋肉」を混同しやすいです。
国試ポイント
筋の形態学的特徴、特に複数の筋腹を持つ筋肉の構造に関する知識が問われています。単に名前から連想するのではなく、その筋肉の具体的な解剖学的構造を理解しているかが重要です。「二頭」や「四頭」といった名称を持つ筋肉でも、筋腹が腱で直列につながっているわけではないことに注意が必要です。
混同注意
上腕二頭筋や大腿四頭筋など、「〜頭」という名称を持つ筋肉は、複数の起始部(頭)を持つが、筋腹自体は一つであったり、複数の筋が並列に存在していたりする場合が多い。これらと、腹直筋のように筋腹の間に腱性組織が介在し、筋腹が直列に分割されている構造とを区別することが重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各選択肢の筋肉がどのような形態的特徴を持つかを具体的にイメージできるか、特に『複数の筋腹』と『腱による直列連結』という条件を満たすかを吟味する。各筋の起始・停止だけでなく、筋腹内部の構造にも着目する。
関連知識
筋の分類(紡錘形筋、羽状筋、多頭筋など)、腱の役割(筋と骨の連結、力の伝達)、筋の機能と形態の関係性。腹直筋の腱画は、胎生期の体節構造の名残とされています。