尿失禁の種類と対応の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
反射性尿失禁は、上位運動ニューロンの障害により、膀胱の蓄尿・排尿反射の抑制が失われ、不随意に排尿が起こる状態です。膀胱の過伸展や残尿のリスクが高く、腎機能障害や尿路感染症を防ぐために、定期的な間欠的自己導尿で膀胱を空虚に管理することが基本的な対応となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 溢流性尿失禁は、膀胱に尿が過剰に溜まり、溢れ出ることで起こります。この場合、残尿測定や導尿による排尿管理がより重要であり、排尿間隔の記録だけでは根本的な解決にはつながりません。正しくは:溢流性尿失禁には、残尿測定、間欠的自己導尿、または導尿による膀胱の適切な空虚化が適切です。選びやすい理由:排尿に関する問題なので、排尿記録が全く無関係ではないと誤解しやすいかもしれません。しかし、溢流性尿失禁の本質的な問題は尿の排出障害です。混同注意:他の種類の尿失禁(例:切迫性尿失禁や腹圧性尿失禁に対する生活指導)での排尿日誌の有効性と混同する可能性があります。
- 2. 機能性尿失禁は、排尿機能自体には問題がないにもかかわらず、身体的または認知的な障害によってトイレに間に合わないことで生じます。骨盤底筋訓練は、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁に有効ですが、機能性尿失禁の直接的な原因には対応しません。正しくは:機能性尿失禁には、トイレまでの移動補助、排泄しやすい環境整備、定時排泄などの介護的な介入が適切です。選びやすい理由:尿失禁と聞くと、反射的に骨盤底筋訓練を想起しやすいため、選択肢として魅力的に映るかもしれません。混同注意:腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁の一般的な介入である骨盤底筋訓練と混同する可能性があります。
- 3. 切迫性尿失禁は、急激な強い尿意により、我慢できずに漏れてしまう状態です。下腹部への軽い刺激は、むしろ排尿反射を誘発したり、不快感を与えたりする可能性があり、切迫性尿失禁の管理には適していません。切迫性尿失禁では、膀胱訓練や薬物療法が一般的です。正しくは:切迫性尿失禁には、膀胱訓練(排尿間隔の延長)、薬物療法、骨盤底筋訓練などが適切です。選びやすい理由:排泄に関連する刺激として誤って認識される可能性があります。ただし、刺激の種類や目的が異なります。混同注意:神経因性膀胱などにおける排尿誘発のための刺激(タッピングなど)と混同する可能性がありますが、切迫性尿失禁の原因とは異なります。
- 4. 正解。反射性尿失禁は、脊髄損傷などで排尿をコントロールする神経経路が途絶し、膀胱が一定量になると反射的に収縮して排尿が起こる状態です。この場合、膀胱が完全に空にならずに尿が残ることも多く、腎機能障害や尿路感染のリスクが高まります。そのため、定期的な間欠的自己導尿によって膀胱を空虚に保つことが、合併症予防と生活の質の維持のために非常に重要です。
国試ポイント
尿失禁の各種類における原因と、それに対応する具体的な看護介入や治療法の知識が問われています。特に、各失禁タイプの特徴を正確に理解し、それに基づいた適切な管理方法を選択できるかが重要です。
混同注意
各尿失禁の名称と症状が似ているため、混同しやすいです。例えば、溢流性尿失禁と反射性尿失禁は尿が出ない・出すぎるという点で共通点もありますが、メカニズムが異なるため、対応も異なります。また、骨盤底筋訓練や膀胱訓練がどの種類の尿失禁に有効であるかについても、よく混同されます。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、各尿失禁の種類と『最も直接的かつ効果的な』介入の組み合わせを問われるでしょう。特に、高齢者に多いタイプや、特定の疾患(脊髄損傷など)に合併するタイプに着目すると良いでしょう。また、自己導尿の手技や指導内容に関する詳細な知識も問われる可能性があります。
関連知識
尿失禁の分類(腹圧性、切迫性、溢流性、機能性、反射性)、それぞれの病態生理、原因疾患(例:脊髄損傷、脳卒中、糖尿病)、具体的なアセスメント方法(排尿日誌、残尿測定)、治療と看護介入(薬物療法、外科的治療、生活指導、自己導尿、骨盤底筋訓練、膀胱訓練、排泄環境整備)