高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
高齢者は加齢に伴い、筋肉量の減少や細胞内液量の減少により総体液量が減少します。さらに、口渇感の低下や腎機能の変化、抗利尿ホルモン反応性の低下なども脱水のリスクを高めます。選択肢2と3は直接的な体液量の減少要因であり、脱水が起こりやすくなる重要な要因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 骨量の減少は骨粗鬆症のリスクを高めますが、直接的な脱水の原因とはなりません。正しくは:骨量の減少は骨強度の低下につながるが、体液バランスには直接影響しない。選びやすい理由:高齢者の生理的変化の一つとして挙げられるため、誤って選択しがち。混同注意:高齢者の一般的な身体変化と脱水との直接的な関連性について混同しやすい。
- 2. 正解。筋肉は体内の水分を多く保持しており、筋肉量が減少すると総体液量が減少するため、脱水になりやすくなります。
- 3. 正解。高齢者では加齢に伴い細胞内液量が減少するため、総体液量が少なくなり、脱水に対する抵抗力が低下します。
- 4. 高齢者では渇中枢の感受性が低下するため、喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取が遅れて脱水につながりやすくなります。亢進(感受性が高まる)は誤りです。正しくは:渇中枢の感受性の低下選びやすい理由:「渇き」という言葉から脱水と関連付けやすいが、高齢者の場合は「低下」が正しい。混同注意:亢進と低下の意味を混同したり、一般的な生理反応と高齢者の生理的変化の違いを混同しやすい。
- 5. 抗利尿ホルモンの反応性が亢進すると、尿の排泄が抑制され体内に水分が保持されるため、脱水は起こりにくくなります。高齢者では反応性が低下したり、分泌が不十分になったりすることがあり、それが脱水の一因となることもありますが、亢進自体は脱水を促進しません。正しくは:抗利尿ホルモンの反応性の低下選びやすい理由:ホルモンが関与するという点で、複雑に感じて選びがち。また、高齢者のホルモン反応の変化は複雑なため、引っかかりやすい。混同注意:抗利尿ホルモンの働き(水分再吸収)と高齢者の身体変化(反応性低下など)を混同しやすい。亢進と低下の区別がつきにくい。
国試ポイント
高齢者の生理的変化とそれが引き起こす健康問題(特に脱水)に関する知識が問われています。身体組成の変化(筋肉量、体液量)と、内分泌系・神経系の機能変化(渇中枢、抗利尿ホルモン)を正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
高齢者の生理的変化は多岐にわたるため、直接脱水につながる要因と、間接的な要因や別の疾患につながる要因とを混同しやすい。特に「亢進」と「低下」のような表現の正確な理解が求められます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、高齢者の脱水に関する他の要因(口渇感の低下、腎機能の低下、服用薬剤など)も選択肢に含まれる可能性があるので注意が必要です。また、脱水の予防策や徴候に関する問題も出題されやすいでしょう。
関連知識
高齢者の身体組成の変化(水分量、脂肪量、筋肉量)、腎機能の変化(濃縮力低下)、内分泌機能の変化(抗利尿ホルモン、アルドステロン)、神経機能の変化(口渇中枢の感受性)、服用薬剤による影響(利尿薬など)