肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肝動脈塞栓術(TAE)は、肝細胞癌(HCC)の主要な治療法の一つです。HCCは肝動脈からの血流供給に依存している特性があるため、この治療法は腫瘍への血流を遮断し、腫瘍壊死を誘導することを目的としています。
選択肢ごとの解説
- 1. 脂肪肝は肝臓に脂肪が過剰に蓄積する状態であり、生活習慣の改善や薬物療法が中心となります。TAEは血管を塞栓する治療法であるため、適応外です。正しくは:脂肪肝の治療には、食事療法、運動療法、減量、場合によっては薬物療法が用いられます。選びやすい理由:肝臓の疾患ではあるが、治療法のアプローチが全く異なるため、混同は少ないと考えられます。混同注意:肝炎や肝硬変など、他の一般的な肝疾患
- 2. 急性A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる急性感染症であり、自然治癒が期待されることが多く、対症療法が基本です。肝動脈塞栓術は侵襲的な治療であり、感染症の治療には適しません。正しくは:急性A型肝炎は安静や対症療法が主であり、TAEは適用されません。予防にはワクチンが有効です。選びやすい理由:肝臓の炎症性疾患であり、肝臓の異常として誤って関連づける可能性があります。混同注意:肝臓の腫瘍性病変
- 3. 正解。肝細胞癌は肝動脈からの血流に大きく依存しているため、肝動脈塞栓術(TAE)は腫瘍への血流を遮断し、栄養供給を止めることで癌細胞を壊死させる治療法として広く用いられます。
- 4. アメーバ性肝膿瘍はアメーバ原虫感染による肝臓の膿瘍であり、治療には抗菌薬(抗アメーバ薬)の投与や、場合によっては穿刺排膿が行われます。血管塞栓術は感染症の治療には適していません。正しくは:アメーバ性肝膿瘍の治療には、メトロニダゾールなどの抗アメーバ薬の内服や、必要に応じて穿刺吸引が適用されます。選びやすい理由:肝臓にできる「病変」という点で、腫瘍と混同して選んでしまう可能性があります。しかし原因が全く異なります。混同注意:細菌性肝膿瘍、肝細胞癌
国試ポイント
肝動脈塞栓術(TAE)の主要な適応疾患、特に肝細胞癌との関連性を問う問題です。肝臓疾患の各治療法と病態生理の理解が重要となります。
混同注意
肝臓の他の腫瘍(転移性肝癌など)や、肝動脈塞栓術以外の肝細胞癌の治療法(ラジオ波焼灼療法、肝切除術など)。また、肝膿瘍や肝炎といった感染性・炎症性疾患と混同しないことが求められます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、肝動脈塞栓術の具体的な手技や合併症、あるいは他の肝細胞癌治療法の適応や特徴について問われる可能性があります。
関連知識
TAEの他にも、ラジオ波焼灼療法(RFA)、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、肝切除術、分子標的薬、肝移植など、肝細胞癌には様々な治療法があること。それぞれの治療法の適応基準やメリット・デメリットを理解しておく必要があります。