家族からネグレクトを受けている高齢者について、地域包括支援センターに通報があった。この通報を受けた地域包括支援センターが行う業務はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
地域包括支援センターは、高齢者の総合的な相談窓口であり、高齢者虐待の通報を受けた際には、高齢者虐待防止法に基づき、高齢者の権利擁護のための措置を講じる義務がある。ネグレクトは高齢者虐待の一種であり、高齢者の生命、身体、生活に危険が及ぶ可能性があるため、権利擁護が最も優先される業務となる。これには、虐待の事実確認、高齢者の保護、成年後見制度の活用支援などが含まれる。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ネグレクトを受けている高齢者の人権が侵害されている状況であり、地域包括支援センターは高齢者虐待防止法に基づき、高齢者の権利と尊厳を守るための支援(成年後見制度の利用支援、虐待を受けている高齢者の保護など)を行う必要があるため、権利擁護が最も適切な業務である。正しくは:この通報に対しては、高齢者の権利擁護の観点から対応が求められる。選びやすい理由:他の選択肢も地域包括支援センターの業務の一部ではあるが、緊急性や通報内容の深刻度から権利擁護が最優先される。混同注意:他の業務と混同しやすいが、虐待やネグレクトの場合はまず権利擁護の視点から介入することが重要である。
- 2. 総合相談支援も地域包括支援センターの重要な業務だが、ネグレクトという虐待の疑いがある状況では、単なる相談支援に留まらず、より具体的な保護や介入を伴う権利擁護が優先される。総合相談支援は、問題が複雑化する前の段階や、より一般的な相談に応じる業務を指すことが多い。正しくは:総合相談支援は、問題を抱える高齢者の一般的な相談に応じる業務である。選びやすい理由:相談支援はすべての業務の入り口になり得るため、正答に感じやすい。混同注意:権利擁護と総合相談支援は密接に関連するが、ネグレクトの場合は人権侵害の要素が強く、権利擁護がより直接的な対応となる。
- 3. 介護予防ケアマネジメントは、要支援の認定を受けた高齢者や、生活機能の低下がみられる高齢者に対し、自立した生活を継続できるようケアプランを作成・実施する業務である。ネグレクト通報は、直接的には介護予防の問題ではなく、高齢者の安全と人権の問題であるため、この状況での直接的な業務ではない。正しくは:介護予防ケアマネジメントは、高齢者が自立した生活を送るための予防的な支援を計画・実施する業務である。選びやすい理由:地域包括支援センターが実施する業務の一つであるため、選択肢として妥当に見える。混同注意:高齢者支援という点で関連するが、ネグレクトという特定の状況に対する直接的な対応ではない点で区別される。
- 4. 包括的・継続的ケアマネジメント支援は、地域の様々な社会資源を連携させ、高齢者が地域で安心して生活できるよう、ケアマネジメントを多角的に支援する業務である。これは主に、地域のケアマネジャーへの支援や、地域の多職種連携を推進することを指す。ネグレクトを受けている高齢者への直接的な介入業務ではない。正しくは:包括的・継続的ケアマネジメント支援は、地域全体のケアマネジメントシステムを強化し、多職種連携を促進する業務である。選びやすい理由:地域包括支援センターの重要な機能の一つであるため、正答に感じやすい。混同注意:高齢者支援の大きな枠組みではあるが、ネグレクトという緊急性の高い個別事案に対する最初の介入業務ではない点で区別される。
国試ポイント
地域包括支援センターの主要な業務内容と、特に高齢者虐待防止法におけるその役割を理解しているかが問われる。ネグレクトなどの虐待が疑われるケースにおいては、権利擁護が最優先事項であることを認識することが重要である。
混同注意
地域包括支援センターの4つの主要業務(総合相談支援、権利擁護、介護予防ケアマネジメント、包括的・継続的ケアマネジメント支援)はそれぞれ関連しているが、具体的な状況に応じてどの業務が最も適切であるかを判断する必要がある。特に、虐待のケースでは権利擁護が最優先される点を理解することが重要。
次に同じ論点が出たら
通報内容の詳細を確認し、高齢者の安全確保と現状把握のための訪問調査、関係機関(警察、医療機関、市町村の高齢者福祉担当課など)との連携、必要に応じた保護や法的支援の検討に進む。
関連知識
高齢者虐待防止法、成年後見制度、介護保険法における地域包括支援センターの役割、地域ケア会議。