病院における医療安全文化の醸成につながる行動はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
医療安全文化の醸成には、組織全体での学習が不可欠です。自部署以外のインシデント事例も共有し、教訓を学ぶことで、多様なリスクを認識し、発生部門を問わず未然防止策を検討できるようになり、結果として組織全体の安全意識とレジリエンスが向上します。
選択肢ごとの解説
- 1. 食事介助の時間の一律厳格化は、個々の患者の状態を考慮しない画一的な対応となり、誤嚥リスクを高める可能性があります。患者の安全よりも効率を優先する姿勢は医療安全文化に反します。正しくは:患者の摂食嚥下機能や状態に合わせて、個別に介助時間を設定し、安全に配慮した丁寧な介助を心がけるべきです。選びやすい理由:一見すると効率化や標準化の取り組みに見えるため、医療安全の一環と捉えられがちです。混同注意:標準化と画一化。標準化は質の担保に重要ですが、画一化は個別性を損ないリスクを高めることがあります。
- 2. 正解。自部署以外のインシデント事例から教訓を学ぶことは、組織全体でリスク認識を共有し、類似事例の発生を未然に防ぐための重要な学習機会です。これにより、組織全体の医療安全意識が高まり、文化として定着します。選びやすい理由:組織全体の学習機会として適切であるため。混同注意:個人レベルの反省と組織レベルの学習。この選択肢は組織レベルの学習を促進します。
- 3. 薬剤の誤投与があった場合、患者への影響が軽微であっても、必ず患者への説明と報告を行うべきです。説明を省略することは、患者の信頼を損ない、医療安全の隠蔽につながり、適切な再発防止策が講じられないため、医療安全文化の根幹を揺るがします。正しくは:薬剤の誤投与があった場合は、影響の軽重にかかわらず、速やかに患者への説明と医療機関内での報告を行い、再発防止策を検討すべきです。選びやすい理由:患者への影響が軽微であれば、過度な心配をかけたくないという配慮から選びやすいかもしれません。しかし、これは情報隠蔽につながります。混同注意:患者への負担軽減と情報隠蔽。正確な情報提供は患者の権利であり、信頼関係構築の基本です。
- 4. 水薬服用時に少量こぼれた場合でも、患者が服用した正確な薬剤量を確認するために、対応せずそのままにすることは不適切です。特に少量の薬剤では、こぼれた量が投与量に大きく影響する可能性があり、正確な服用量把握と追加投与の要否判断が重要です。正しくは:水薬が少量こぼれた場合は、その量を評価し、必要に応じて薬剤師や医師と相談して追加投与の要否を検討するか、正確な投与量を再計測して服用を促すべきです。選びやすい理由:少量であれば影響が少ないと考え、手間を省きたいという気持ちから選びやすいかもしれません。混同注意:軽微な事象の無視と適切なモニタリング。軽微な事象でも放置すれば、より大きな問題につながる可能性があります。
国試ポイント
医療安全文化の醸成における組織学習と情報共有の重要性を理解する。
混同注意
インシデント報告が個人的な責任追及のためと混同されやすいですが、本来はシステム改善のための学習機会であり、組織全体で共有することでその効果が高まります。
次に同じ論点が出たら
医療安全に関する問題で、組織全体の意識向上や文化醸成を問われた際は、情報共有、学習機会の提供、多職種連携、公正な文化の推進といった視点が含まれる選択肢を判断基準とする。
関連知識
医療安全における組織文化の概念、ヒューマンエラー理論、公正な文化(Just Culture)の重要性、インシデント報告制度の目的(責任追及ではなくシステム改善)。