中心静脈栄養法〈TPN〉で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
高カロリー輸液にはブドウ糖が多く含まれており、特にインスリン抵抗性や糖尿病の既往がある患者では、インスリン分泌が追いつかずに高血糖をきたしやすい。そのため、血糖コントロールは中心静脈栄養法における重要な管理項目である。
選択肢ごとの解説
- 1. 高カロリー輸液そのものが直接的に高血圧を引き起こす主要な要因ではありません。むしろ、電解質異常や循環血液量の管理不備に関連して血圧変動が生じる可能性はありますが、最も起こりやすい合併症としては適切ではありません。正しくは:高血圧は中心静脈栄養法の直接的な合併症としては稀です。選びやすい理由:輸液の過剰投与により循環血液量が増加すると高血圧につながる可能性も考えられますが、高カロリー輸液の主要な合併症ではありません。混同注意:輸液による循環動態の変化と直接的な合併症としての高血圧を混同する可能性があります。
- 2. 正解。高カロリー輸液には大量の糖質が含まれており、特にインスリン抵抗性がある患者や糖尿病患者では、体内で処理しきれずに高血糖状態に陥りやすいです。
- 3. 中心静脈栄養法は、その名の通り中心静脈にカテーテルを留置して行われます。高カロリー輸液は浸透圧が高く末梢静脈に投与すると静脈炎を起こしやすいですが、中心静脈からは直接末梢静脈炎を起こすことはありません。末梢からの高カロリー輸液は避けるべきです。正しくは:高カロリー輸液は中心静脈から投与されるため、末梢静脈炎は中心静脈栄養法の合併症とはなりません。選びやすい理由:高浸透圧の輸液が末梢静脈に投与されると静脈炎を起こすことは事実ですが、中心静脈栄養法の文脈では誤りです。混同注意:高カロリー輸液の特性と投与経路を混同する可能性があります。
- 4. 正中神経麻痺は、カテーテル挿入時の神経損傷や圧迫が原因で起こる可能性はありますが、高カロリー輸液そのものの合併症ではありません。また、中心静脈カテーテル挿入で損傷しやすいのは鎖骨下動脈や肺などであり、正中神経は腕の神経であるため、通常は直接的な関連性が低いです。正しくは:正中神経麻痺はカテーテル挿入時の手技に関連する合併症であり、高カロリー輸液の直接的な合併症ではありません。選びやすい理由:手技に伴う合併症を混同する可能性があります。混同注意:カテーテル挿入に関連する合併症と輸液内容に関連する合併症を混同する可能性があります。
国試ポイント
中心静脈栄養法(TPN)の管理において、高カロリー輸液の組成とそれに伴う代謝性合併症、特に高血糖のリスクを理解しているかが問われる。また、中心静脈と末梢静脈の役割の違いを区別できることも重要である。
混同注意
末梢静脈炎は高カロリー輸液を末梢から投与した場合に起こるリスクであるが、中心静脈栄養法では中心静脈を使用するため、直接的な合併症とはならない。この点を混同しないよう注意が必要である。
次に同じ論点が出たら
高血糖発生時には、インスリン投与量や輸液速度の調整を検討する。また、血糖値の定期的なモニタリングが不可欠である。
関連知識
中心静脈栄養法では、高血糖の他にも、電解質異常(K、P、Mg)、肝機能障害、ビタミン欠乏、カテーテル関連血流感染症などが合併症として挙げられる。