高カリウム血症の患者でみられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
高カリウム血症では、心筋細胞の再分極が促進されるため、心電図上、T波の増高(テント状T波)が特徴的に現れます。これは重篤な不整脈に移行する可能性があるため、早期発見が非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. トルーソー徴候は低カルシウム血症の特異的な徴候であり、高カリウム血症とは関連しません。正しくは:低カルシウム血症の患者でみられる。選びやすい理由:電解質異常による神経筋症状の一つであるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:テタニーに関連する症状(低カルシウム血症)と、電解質異常全般で起こりうる神経筋症状。
- 2. 正解。高カリウム血症では心筋の再分極が速まるため、心電図上、T波が高く尖鋭化する特徴的な変化(テント状T波)が現れます。これは高カリウム血症を疑う重要な所見です。
- 3. 高カリウム血症では、むしろ消化管の運動が亢進し、下痢や腹痛などの症状が見られることがあります。腸蠕動音の低下は、麻痺性イレウスなど他の病態でみられます。正しくは:腸蠕動音の低下は、低カリウム血症でみられることがあります。高カリウム血症では腸蠕動は亢進することが多いです。選びやすい理由:カリウムと消化管機能の関連が漠然と認識されている場合、どちらに傾くか判断がつきにくい可能性があります。混同注意:低カリウム血症(腸蠕動低下)と高カリウム血症(腸蠕動亢進)による消化器症状。
- 4. 高カリウム血症では、初期には筋力低下が見られ、進行すると弛緩性麻痺を引き起こすことがありますが、選択肢の「四肢の麻痺」だけでは症状の段階や他の電解質異常との鑑別が難しいです。また、この設問においては、心電図変化がより早期かつ特異的な所見として挙げられます。正しくは:高カリウム血症が進行すると弛緩性麻痺に至ることがありますが、初期には筋力低下が主で、この選択肢では広すぎる表現です。また、心電図変化がより重要な徴候です。選びやすい理由:カリウム値の異常が神経筋に影響を及ぼすことは事実であり、重症化すると麻痺に至るため、正しいと思われやすいです。しかし、より早期かつ特異的な所見は心電図変化です。混同注意:筋力低下と麻痺の程度の違い、および高カリウム血症の神経筋症状の進行段階。
国試ポイント
高カリウム血症の診断における心電図所見の重要性を理解しているか、また他の電解質異常による症状と混同せずに区別できるかが問われています。特に、高カリウム血症の致死的な合併症である不整脈につながる心電図変化は頻出です。
混同注意
低カルシウム血症のトルーソー徴候や、低カリウム血症による腸蠕動音低下、あるいは電解質異常全般でみられる神経筋症状(筋力低下、麻痺など)との鑑別。
次に同じ論点が出たら
今後、高カリウム血症の関連問題が出た場合、心電図変化だけでなく、原因となる疾患(腎不全、薬剤)や、治療法(インスリン・ブドウ糖療法、陽イオン交換樹脂など)に関する知識も問われる可能性が高いです。また、他の電解質異常(特に低カリウム血症、低カルシウム血症、高カルシウム血症)の症状や心電図変化との比較問題も予想されます。
関連知識
高カリウム血症の他の症状(筋力低下、知覚異常、不整脈など)、原因(腎機能障害、薬剤など)、治療法(カリウム制限、利尿薬、GI療法、透析など)、低カリウム血症、低カルシウム血症の症状と治療。