ネグレクトを受けている児の一時保護を決定するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
児童福祉法第33条では、児童相談所長は、要保護児童(虐待を受けている子どもを含む)を発見した場合、子どもの安全を確保するため、親権者やその他の監護者(保護者)の同意の有無にかかわらず、子どもを一時保護する権限を持つと規定されています。これは、子どもの生命や身体の安全が脅かされる緊急性の高い状況において、迅速かつ専門的に対応するための重要な権限です。
選択肢ごとの解説
- 1. 家庭裁判所は、司法手続きを通じて子どもの権利を保護する役割を担いますが、一時保護の決定権は持っていません。主に、保護者による虐待が疑われる場合の審判や、親権に関する決定を行います。正しくは:家庭裁判所は、一時保護解除後の措置や、親権停止・親権喪失の審判などに関与します。選びやすい理由:子どもに関する法的な判断を行う機関であるため、緊急保護の決定権もあると誤解しやすいかもしれません。混同注意:児童相談所の権限と、裁判所の権限を混同する可能性があります。
- 2. 正解。児童福祉法第33条において、児童相談所長は、保護者の同意の有無にかかわらず、緊急性の高いケースで児童を一時保護する権限が明確に定められています。ネグレクトなどの児童虐待が疑われる場合、子どもの安全を最優先に迅速な対応が求められるため、専門機関である児童相談所長がその決定を行います。
- 3. 保健所は地域住民の健康増進や疾病予防を主な業務としており、母子保健の支援は行いますが、児童虐待を受けた子どもの一時保護を決定する法的権限は持っていません。正しくは:保健所は、虐待を受けている可能性のある子どもの情報提供や、健康面からのアセスメント、関係機関との連携を通じて児童相談所を支援することがあります。選びやすい理由:母子保健に関わる機関であるため、子どもの保護にも直接関与すると思われがちです。混同注意:児童相談所や市町村保健センターの機能と混同する可能性があります。
- 4. 警察は、児童虐待が犯罪行為に該当する場合(例:身体的虐待、性的虐待)には捜査や犯人逮捕を行います。緊急時には子どもを一時的に保護する場合がありますが、それはあくまで犯罪捜査の一環または児童相談所への引き継ぎを前提としたものであり、自ら「一時保護を決定する」権限は持っていません。正しくは:警察は、虐待の通報を受けて介入し、児童相談所へ通告する役割を担います。選びやすい理由:緊急時に現場で子どもを保護するイメージがあるため、決定権もあると誤解しやすいです。混同注意:緊急時の警察の介入と、正式な一時保護の決定権を混同する可能性があります。
- 5. 市町村は、児童福祉に関する一般的な支援や相談業務を行いますが、ネグレクトを受けた子どもを強制的に一時保護するような権限は持ちません。主に児童虐待の通告先となり、児童相談所と連携して支援を提供します。正しくは:市町村は、虐待の予防、早期発見、そして児童相談所への情報提供や連携を通じて支援を行います。選びやすい理由:地域の子ども全体の福祉に責任を持つため、緊急保護の決定権もあると誤解されることがあります。混同注意:地域の子どもに関する幅広い行政サービスと、専門的な保護措置の権限を混同する可能性があります。
国試ポイント
児童虐待に関する法的根拠、特に児童相談所の役割と権限は頻出テーマです。一時保護の決定権限がどの機関にあるかを問う問題は、知識の正確性を確認する基本的な問題形式です。
混同注意
児童相談所の役割と、家庭裁判所、警察、市町村の役割を混同しやすいです。特に緊急時の対応において、それぞれの機関の権限の範囲を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、児童虐待を受けた子どもの「保護措置」「介入」「法的判断」といったキーワードに注目し、どの機関がどのような権限を持つのか、その根拠となる法律(児童福祉法など)は何かを確認すると良いでしょう。特に、児童相談所の他の権限(施設入所措置など)も合わせて学習しておきましょう。
関連知識
児童福祉法、児童虐待の防止等に関する法律、要保護児童対策地域協議会(要対協)の役割、一時保護の期間と手続き、保護者への介入のあり方。