嚥下に関わる脳神経はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
迷走神経(第X脳神経)は、嚥下の複雑なプロセスにおいて中心的な役割を担います。咽頭収縮筋や喉頭の筋肉を支配し、嚥下反射の開始、食塊の送出、気道防御機構の維持に不可欠です。また、食道の蠕動運動にも関与し、食物を胃へ送り込む役割も果たします。これらの機能は、食物を安全かつ効率的に消化管へ運ぶために重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 嗅神経は嗅覚を司る脳神経であり、嚥下機能には直接関与しません。正しくは:嗅神経は匂いを感知する機能に関わります。選びやすい理由:食事の際には匂いも重要な要素ですが、嚥下そのものの運動とは別です。混同注意:味覚や摂食行動全体と混同しやすいですが、嚥下は運動機能です。
- 2. 外転神経は眼球を外側に動かす働きをする脳神経であり、嚥下機能には直接関与しません。正しくは:外転神経は眼球運動、特に外直筋の支配に関わります。選びやすい理由:脳神経の一部であるため、選択肢として存在しますが、機能が異なります。混同注意:他の眼球運動に関わる神経(動眼神経、滑車神経)と混同することもありますが、いずれも嚥下とは無関係です。
- 3. 滑車神経は眼球の上斜筋を支配し、眼球の運動に関わる脳神経であり、嚥下機能には直接関与しません。正しくは:滑車神経は眼球の上斜筋を支配し、眼球を内下方に動かす機能に関わります。選びやすい理由:これも脳神経の一つですが、嚥下機能とは関係が薄いです。混同注意:動眼神経や外転神経と同様に、眼球運動の神経として認識されます。
- 4. 正解。迷走神経(第X脳神経)は、咽頭や喉頭の筋肉、食道の運動、および唾液腺の分泌など、嚥下反射や嚥下運動の多くの段階に深く関与しています。特に咽頭収縮筋や喉頭筋を支配し、食物の気道への誤嚥を防ぐ役割も果たします。正しくは:迷走神経は、咽頭・喉頭・食道の運動、および自律神経系の調節を通じて嚥下機能に重要な役割を担います。選びやすい理由:多くの機能を司るため、迷いやすいですが、嚥下機能において中核的な役割を果たします。混同注意:舌咽神経(嚥下の感覚入力や一部の運動)や舌下神経(舌の運動)など、他の嚥下関連脳神経と混同することがありますが、迷走神経は嚥下反射の中枢的な役割を担います。
国試ポイント
脳神経の機能と、特定の生理機能(この場合は嚥下)との関連性を問う問題です。特に、複数の機能に関与する脳神経(例:迷走神経、舌咽神経、三叉神経、顔面神経、舌下神経など)の中から、最も中心的または特徴的な役割を果たすものを正確に選ぶ知識が求められます。嚥下は多くの脳神経が協調して行われるため、それぞれの神経の主な役割を区別することが重要です。
混同注意
嚥下に関わる脳神経は複数あり(三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、舌下神経など)、これらの中から最も適切なものを選ぶ必要があります。特に舌咽神経は嚥下反射の求心路、迷走神経は遠心路として重要であり、混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、嚥下の各段階(先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期)と、それに主に関わる脳神経および筋肉の組み合わせを問う問題が出る可能性があります。また、誤嚥を予防するための看護介入や、嚥下障害のアセスメントに関連付けて出題されることも考えられます。
関連知識
嚥下に関わる主な脳神経とその機能: - **三叉神経(V)**:咀嚼筋の運動、口腔・顔面部の感覚。 - **顔面神経(VII)**:表情筋の運動、味覚(舌の前2/3)、唾液腺の分泌。 - **舌咽神経(IX)**:咽頭の感覚、味覚(舌の後1/3)、咽頭収縮筋の一部、唾液腺の分泌、嚥下反射の求心路。 - **迷走神経(X)**:咽頭・喉頭の運動、食道の蠕動運動、気道防御、嚥下反射の遠心路。 - **舌下神経(XII)**:舌筋の運動(食塊形成・移動)。 これらが協調して嚥下の一連の動作を制御しています。