痛みの伝導で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
痛みの伝導路である脊髄視床路は、脊髄の後角で一次ニューロンから二次ニューロンに交代し、すぐに脊髄内で対側に交差し、脊髄の側索を上行します。その後、視床(VPL核)において三次ニューロンとシナプス結合し、そこから大脳皮質(体性感覚野)へと投射されます。したがって、視床が痛みの伝達における主要な中継点の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 一次求心性ニューロンの中でも痛みを伝える無髄のC線維は、運動ニューロン(Aα線維)と比較して伝導速度が著しく遅いです。有髄のAδ線維でも運動ニューロンより遅いことが多いです。正しくは:一次求心性ニューロンの中でも痛みを伝える線維は、運動ニューロンよりも伝導速度が遅い。選びやすい理由:神経の種類によって伝導速度が異なることを知っているものの、具体的な比較対象(運動ニューロン)との速度差を正確に把握していない場合に選択しやすい。混同注意:神経線維の分類と伝導速度の関係性、特にA線維とC線維の速度差と、運動・感覚の機能別の代表的な線維の種類。
- 2. 痛み刺激は脊髄に入った後、対側に交差してから脊髄の側索を上行します。これを脊髄視床路と呼びます。正しくは:痛み刺激は、脊髄に入った後、対側に交差して脊髄を上行する。選びやすい理由:漠然と脊髄を上行するというイメージは合っているが、交差するタイミングや場所が曖昧な場合に選択しやすい。混同注意:後索路(触覚・圧覚・振動覚・位置覚が同側を上行し延髄で交差)と脊髄視床路(温痛覚が脊髄で交差して対側を上行)の経路の違い。
- 3. 痛みの伝導路(脊髄視床路)は、脊髄から視床へ直接上行し、延髄ではシナプス結合を形成しません(延髄網様体へ側枝を出すことはありますが、主な中継地点ではありません)。正しくは:視床の部位で、次の神経細胞とシナプス結合を形成する。選びやすい理由:脳幹の一部である延髄が重要な中継点として機能する感覚経路も存在するため、痛みの経路もそうだと誤解しやすい。混同注意:後索路(延髄でシナプス結合し、交叉する)と脊髄視床路の経路の違い。また、他の脳神経核が延髄に存在する知識と混同する。
- 4. 正解。痛みの伝導路である脊髄視床路は、脊髄で二次ニューロンに交代し、対側へ交差して上行し、視床において三次ニューロンとシナプス結合します。視床は感覚の中継地点として重要な役割を担っています。正しくは:正しい選択肢のため修正不要。選びやすい理由:他の選択肢が誤りであることが明確なため、相対的に正しいと判断しやすい。また、視床が感覚の中継点であるという基本的な知識があれば選びやすい。混同注意:延髄や脳幹の他の部位と、視床が持つ感覚中継の機能が混同されやすい。特に後索路との違いが重要。
国試ポイント
痛みの伝導路(脊髄視床路)の基本的な経路、特に交差部位と主な中継地点に関する知識が問われています。他の感覚伝導路との違いを正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
後索路(触覚・圧覚・振動覚・位置覚の伝導路)との違い。後索路は同側脊髄を上行し、延髄で交差、シナプス結合します。脊髄視床路は脊髄で交差、視床でシナプス結合します。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各感覚モダリティ(触覚、温覚、痛覚、位置覚など)がどの伝導路を通り、どこで交差・中継するか、その特徴的な神経線維の種類と速度を把握しているかを確認する。
関連知識
神経線維の種類(Aα, Aβ, Aδ, C線維)とその伝導速度、感覚の種類と伝導路の対応(温痛覚は脊髄視床路、触覚・圧覚・振動覚・位置覚は後索路)。