誤嚥しやすい患者の食事の援助で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
誤嚥性肺炎を予防するための食事介助では、患者の体位が非常に重要です。顎を軽く引き、頸部をやや前屈させることで、気道が閉じ気味になり、食物が食道へと流れやすくなります。これにより、気管への誤嚥を防ぐ効果が期待できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 細かく刻んだ食材は、かえって口腔内でばらけやすく、嚥下時に気管に入りやすくなることがあります。特に高齢者や嚥下機能が低下している場合、まとまりにくい食べ物は誤嚥のリスクを高めます。正しくは:食材は、適度な大きさに切り、まとまりやすい形態(例:とろみ食、ペースト食など)に調理します。選びやすい理由:一般的に「高齢者は細かく刻む」というイメージがあるため、一見正しい選択肢に見えます。混同注意:誤嚥と窒息の対策を混同しやすいです。窒息予防には細かく切ることも有効ですが、誤嚥予防にはまとまりが重要です。
- 2. 水分の摂取自体は重要ですが、嚥下機能が低下している患者の場合、サラサラした水はむせやすく、誤嚥のリスクが非常に高いです。特に食事中に多量の水分摂取を促すのは適切ではありません。正しくは:水分を摂る場合は、とろみ剤で適切な粘度をつけたものや、ゼリー状のものを少量ずつ提供します。選びやすい理由:脱水予防の観点からは水分摂取は推奨されるため、正しい行動だと誤解しやすいです。混同注意:一般的な健康な人への水分摂取の推奨と、嚥下障害のある患者への特別な配慮を混同しやすいです。
- 3. 粘り気が強すぎる食品は、口腔や咽頭に残りやすく、スムーズな嚥下を妨げることがあります。また、まとまりすぎて喉に貼りつくような食品は、かえって窒息のリスクを高める可能性もあります。正しくは:適度なとろみやまとまりがあり、口の中で一つにまとまりやすく、かつスムーズに食道へ送れる物性の食品を選びます(例:プリン、ゼリーなど)。選びやすい理由:「まとまりが良い=誤嚥しにくい」という思考から、粘り気が強いものが良いと判断しがちです。混同注意:「とろみ」と「粘りが強すぎる」状態を混同しやすいです。適度なとろみは嚥下を助けますが、過度な粘りは逆効果です。
- 4. 正解。顎を引いて頸部を前屈する姿勢は、気道が閉鎖しやすく、食道が開くため、食物が気管に入りにくくなります。これにより、誤嚥のリスクを軽減することができます。これは嚥下障害患者への食事介助の基本体位の一つです。正しくは:正しいです。
国試ポイント
嚥下障害患者の食事介助における基本的な体位や、食物の物性に関する知識が問われています。誤嚥予防のための具体的な看護技術を理解しているかが重要です。
混同注意
誤嚥予防と窒息予防、あるいは一般的な食事介助と嚥下障害患者への特別な配慮を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
嚥下困難のある患者への食事介助において、正しい体位以外に、どのような食事形態が適切か、また、食事中の声かけや観察ポイントは何か、といった応用的な知識も問われる可能性があります。
関連知識
嚥下反射のメカニズム、誤嚥性肺炎の病態生理、食事形態(きざみ食、とろみ食、ミキサー食など)の選択基準、口腔ケアの重要性、嚥下訓練の種類と方法。