前腕部からの動脈性の外出血に対する用手間接圧迫法で血流を遮断するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
前腕部からの動脈性の外出血に対して、出血部位より上流の主要な動脈を圧迫することで血流を遮断する間接圧迫法が用いられます。上腕動脈は肘より上部の上腕内側を走行しており、前腕への主要な血流を供給しています。この部位を圧迫することで、前腕への血流を効率的に遮断し、止血効果を得ることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 鎖骨下動脈は前腕よりはるかに上流に位置し、圧迫には専門的な手技が必要で、一般的な用手圧迫止血法では適切ではありません。また、前腕の動脈性出血に対して、鎖骨下動脈を圧迫することは過剰であり、心臓への血流阻害のリスクも伴います。正しくは:前腕部より末梢の動脈を圧迫します。選びやすい理由:上肢全体の血流を止めるイメージから、より太い血管を選びたくなるかもしれませんが、目的は出血部位に近い上流での適切な圧迫です。混同注意:主要な血管であるため、重篤な出血時に選ばれやすいと誤解されることがあります。
- 2. 腋窩動脈は前腕より上流ではありますが、比較的深部に位置し、用手圧迫で確実に血流を遮断するのは困難です。また、前腕の出血に対してはさらに末梢の動脈がより適切です。正しくは:前腕部より末梢の動脈を圧迫します。選びやすい理由:鎖骨下動脈と同様に、上肢の主要な血管であるため選びやすいかもしれません。混同注意:上肢の主要な動脈として認識されるため、出血部位にかかわらず選択肢になりうると誤解されることがあります。
- 3. 正解。前腕への血流は主に上腕動脈から供給されています。上腕動脈は上腕の内側に位置し、比較的容易に触知・圧迫できるため、前腕からの出血に対して血流を遮断するのに最も効果的で一般的な選択肢です。選びやすい理由:最も適切かつ実践的な選択肢です。
- 4. 橈骨動脈は前腕に位置する動脈であり、出血部位によっては直接圧迫の対象となることはありますが、出血している前腕の上流で血流を遮断するという目的には適していません。前腕全体の血流を遮断するには、より上流の上腕動脈を圧迫する必要があります。正しくは:前腕全体の血流を遮断するためには、より上流の上腕動脈を圧迫します。選びやすい理由:前腕と直接関連する動脈であるため、一見正解のように見えます。しかし、質問は「用手間接圧迫法で血流を遮断する」対象動脈であり、出血部位より上流を指します。混同注意:橈骨動脈は手首の脈拍を触れる部位として有名ですが、これは動脈の直接圧迫や脈拍測定の部位であり、間接圧迫による血流遮断の部位とは異なります。
国試ポイント
外傷時の緊急処置、特に止血法における動脈圧迫部位に関する知識が問われています。身体の解剖学的知識と、それに基づいた適切な処置の選択能力が重要です。
混同注意
出血部位に近い動脈(橈骨動脈など)や、より太い上流の動脈(鎖骨下動脈、腋窩動脈)と混同しやすいですが、間接圧迫法の目的(出血部位の上流で血流を遮断する)と、その手技の実現可能性(触知・圧迫のしやすさ)を考慮して選択する必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、出血部位と、その部位への主要な血流を供給している上流の動脈の解剖学的知識、およびその動脈が用手圧迫で遮断可能かを判断する視点が求められます。
関連知識
止血法には直接圧迫法、間接圧迫法、止血帯法があります。間接圧迫法は、出血部位より心臓に近い動脈を圧迫することで止血を図る方法です。この知識は、外傷初期看護において不可欠です。また、他の部位(例:大腿部からの出血に対する大腿動脈の圧迫)についても理解しておくことが重要です。