Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギーと診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。 翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
お母さんの最大の不安は、卵を除去した給食でもアレルギー反応が起きたことに対する「今後の給食時の対応」です。保育士は給食時の園児の状況を直接観察し、アレルギー反応の早期発見と緊急時の対応の中心となるため、具体的な対応について話し合うことが最も適切であり、お母さんの不安解消に繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. アレルギー症状が改善し退院する状況で、すぐに保育所を休ませることを検討するのは適切ではありません。過度な制限は子どもの社会性や発達に影響を与える可能性があります。正しくは:保育所と連携し、適切なアレルギー対応が確保された上で、登園を継続できるよう支援することを検討しましょう。選びやすい理由:アレルギー反応が再発することへの不安から、一時的に登園を避けることが安全だと感じるため。混同注意:アレルギー症状が重篤で登園が困難な場合の一時的な対応。
- 2. 献立の相談も重要ですが、すでに「卵を除去した給食をこれまでも提供してもらっていた」にもかかわらず反応が起きたため、献立そのものよりも「給食時の対応」への不安が大きいと考えられます。また、栄養士は献立作成の専門家であり、給食時の直接的な子どもの観察や緊急時対応は保育士の役割です。正しくは:献立だけでなく、給食時のアレルギー物質の混入防止策や、万一反応が出た場合の対応について、保育士を交えて相談しましょう。選びやすい理由:食物アレルギーと聞くと、まず給食の内容や栄養士を思い浮かべやすいため。除去食の徹底が最も重要だと誤解するため。混同注意:アレルギー対応食の献立作成や栄養面でのアドバイスを求める場合。
- 3. 正解。お母さんの不安は「また今回のようなアレルギー反応が起きるのではないか」という、給食時の具体的な対応に対するものです。保育士は給食時に園児に最も近い位置で観察し、アレルギー反応の早期発見や緊急時の初期対応を行うため、保育士と具体的な対応について話し合うことが最も不安解消に繋がります。選びやすい理由:問題の状況を正確に把握し、保護者の不安に最も寄り添った選択肢であるため。混同注意:アレルギー対応における多職種連携の役割分担。
- 4. 他の園児へのアレルギー説明は、アレルギーへの理解を深める上で大切ですが、今回の母親の不安は「自分の子どもにまたアレルギー反応が起きるのではないか」という個人的な懸念であり、他の園児への説明が直接的な解決にはなりません。また、説明内容によっては、アレルギー児への偏見や過剰な配慮に繋がる可能性も考慮が必要です。正しくは:他の園児へのアレルギー説明は、保護者の同意とプライバシーに配慮しつつ、教育の一環として適切な方法とタイミングで検討しますが、まずはAちゃんの給食時の対応について具体的に話し合いましょう。選びやすい理由:アレルギーへの理解促進や、周囲の協力体制構築が重要だと考えるため。混同注意:集団生活におけるアレルギーへの理解促進と、個別の緊急時対応の優先順位。
国試ポイント
食物アレルギー患児の保育所における対応について、多職種連携における各職種の役割と、保護者への適切な情報提供・支援の重要性を理解する。
混同注意
栄養士との献立相談も重要だが、今回の問題は「また今回のようなアレルギー反応が起きるのではないか」という不安に直結する「給食時の対応」である点で、保育士との話し合いが優先される。
次に同じ論点が出たら
保護者の不安の対象が「具体的な日常のケアや緊急時の対応」である場合は、直接その対応を行う職種(保育士)との話し合いが最も適切であると判断する。
関連知識
食物アレルギー診療ガイドラインにおける保育所・幼稚園での対応、エピペン®使用に関する知識、緊急時対応計画(アレルギー対応マニュアル)の作成と共有。