急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
慢性炎症は、持続的な組織損傷と修復が特徴であり、細胞性免疫反応が主体となります。このため、リンパ球や形質細胞の浸潤が病理組織学的に観察されます。好中球浸潤や血管透過性の亢進は急性炎症の特徴であり、CRP上昇は急性期反応ではありますが、慢性炎症に特異的な所見とは言えません。
選択肢ごとの解説
- 1. 好中球の浸潤は急性炎症において中心的な細胞反応です。病原体の排除や損傷組織の分解を迅速に行うために多数の好中球が炎症部位に集まります。正しくは:急性炎症に特徴的な所見である。選びやすい理由:炎症反応全般に関わる細胞のため、慢性炎症でも見られると誤解しやすい。混同注意:マクロファージやリンパ球との違いが不明瞭な場合に混同しやすい。
- 2. CRP(C反応性タンパク)値の上昇は、主に急性期の炎症反応を示す指標であり、慢性炎症でも上昇することはありますが、急性炎症に比べて特異的な特徴とは言えません。正しくは:急性期の炎症反応で顕著に見られる。選びやすい理由:炎症の指標として広く知られているため、慢性炎症にも当てはまると考えやすい。混同注意:炎症のスクリーニング検査として使われるため、慢性炎症に特異的だと誤解しやすい。
- 3. 正解。リンパ球の浸潤は慢性炎症の主要な病理組織学的特徴の一つです。持続的な抗原刺激や自己免疫反応などにより、T細胞やB細胞が炎症部位に集積します。
- 4. 正解。形質細胞はBリンパ球が分化して抗体を産生する細胞であり、慢性炎症、特に持続的な免疫応答や自己免疫疾患において炎症部位への浸潤が認められます。これは慢性炎症に特異的な所見です。
- 5. 血管透過性の亢進は、ヒスタミンなどの化学伝達物質によって引き起こされる急性炎症の初期段階における主要な反応であり、浮腫の形成につながります。慢性炎症ではあまり顕著ではありません。正しくは:急性炎症に特徴的な所見である。選びやすい理由:炎症反応の一般的なプロセスとして、常に起こるものと誤解しやすい。混同注意:発赤や腫脹といった急性炎症の身体所見と結びつけて理解できていない場合に混同しやすい。
国試ポイント
急性炎症と慢性炎症の細胞学的・病理学的特徴の相違点を理解しているかが問われる問題です。特に、炎症に関わる主要な細胞の種類と、それが急性・慢性のどちらに特異的であるかを正確に把握しておく必要があります。
混同注意
好中球は急性炎症の主役、リンパ球・形質細胞・マクロファージは慢性炎症の主役という基本的な区別ができていないと混同しやすい。CRPは炎症全般の指標だが、急性炎症でより顕著に上昇することを理解しておく。
次に同じ論点が出たら
急性炎症と慢性炎症のそれぞれの病態生理を理解し、代表的な疾患と結びつけて考えられるか。
関連知識
急性炎症の4徴候(発赤、腫脹、熱感、疼痛)や、マクロファージの役割、線維芽細胞による組織修復と線維化なども関連知識として重要です。