飲酒したい欲求を抑圧した人が、酩酊状態の人の行動を必要以上に非難する防衛機制はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
反動形成は、抑圧された受け入れがたい感情や欲求が、その正反対の行動や態度として現れる防衛機制です。設問のケースでは、飲酒したいという自身の欲求を抑圧するために、酩酊状態の人を過剰に非難することで、自身の欲求とは正反対の態度を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 昇華は、社会的に受け入れがたい衝動や欲求を、社会的に価値のある活動や目標へ転換して満たす防衛機制です。飲酒欲求を抑えつつ他者を非難する行為は、建設的な活動への転換とは異なります。正しくは:社会的に受け入れがたい衝動を、より建設的で社会的に認められる活動に転換すること。選びやすい理由:欲求を直接満たせないため、何らかの形で解消しようとする点では共通するかもしれませんが、昇華はポジティブな側面を持ちます。混同注意:抑制された欲求が別の形で現れるという点で転換と混同されやすいですが、昇華は目的が異なります。
- 2. 転換は、精神的な葛藤や欲求不満が身体症状として現れる防衛機制です。飲酒欲求を抑え込み、他者を非難する行為は身体症状として現れているわけではありません。正しくは:心理的な葛藤や欲求不満を、運動麻痺や知覚麻痺などの身体症状として表現すること。選びやすい理由:抑圧された感情が別の行動に「転換」されているように感じられるかもしれませんが、身体症状を伴わないため異なります。混同注意:抑圧された感情が表に出るという点で反動形成や置き換えと混同されやすいですが、転換は身体症状に限定されます。
- 3. 合理化は、自分の行動や感情を、もっともらしい理由をつけて正当化する防衛機制です。飲酒したい欲求があるのに他者を非難する行動は、自分の欲求を正当化するものではなく、むしろ否定的な感情を他者へ向けているものです。正しくは:受け入れがたい感情や行動に対して、社会的に妥当なもっともらしい理由付けを行うこと。選びやすい理由:自分の行動を正当化しようとする心理が背景にあるように見えるかもしれませんが、直接的な正当化ではありません。混同注意:自分の行動の理由を説明するという点で、自己弁護と混同されやすいです。
- 4. 正解。反動形成は、自分にとって受け入れがたい感情や欲求がある場合に、その感情や欲求とは正反対の行動や態度をとる防衛機制です。飲酒したいという強い欲求を抑圧している人が、その欲求とは正反対の『酩酊状態の人を非難する』という行動をとることで、自身の欲求を打ち消そうとしていると考えられます。正しくは:受け入れがたい感情や衝動を抑圧し、それとは正反対の行動や態度を過剰に示すこと。選びやすい理由:このケースでは、内心の欲求と表出する行動が非常に明確に対立しているため、迷うことは少ないでしょう。混同注意:置き換え(displacement)と混同されやすいですが、反動形成は正反対の行動をとる点に特徴があります。
国試ポイント
防衛機制の種類と具体例を正確に理解しているかが問われています。特に、反動形成は日常生活でも見られる行動であるため、定義と具体例をしっかりと結びつけて覚えることが重要です。
混同注意
置き換え、合理化、昇華など、他の防衛機制と混同されやすいですが、それぞれの定義と具体例を正確に理解することで区別できます。特に反動形成は「正反対の行動」という点がキーワードになります。
次に同じ論点が出たら
同様のケースで、もし非難の対象が特定の個人ではなく、飲酒行為そのものへの極端な嫌悪として表現された場合でも、反動形成と判断できるか。
関連知識
防衛機制は、精神分析学の概念であり、フロイトやアンナ・フロイトによって提唱されました。自我が不安やストレスから自身を守るために無意識的に用いる心理的な戦略です。種類としては、抑圧、否認、投影、退行、同一視など多岐にわたります。