糖質コルチコイドの分泌が長期に過剰となった状態の身体所見で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
糖質コルチコイドの長期的な過剰分泌は、脂肪の異常沈着を引き起こし、顔が丸く膨らむ「満月様顔貌(moon face)」、体幹部の肥満、Buffalo hump(水牛肩)などの特徴的な身体所見を呈します。これはクッシング症候群の主要な症状の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 眼球突出は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の代表的な症状であり、糖質コルチコイドの過剰分泌とは関連がありません。正しくは:眼球突出は、甲状腺機能亢進症の主要な兆候である。選びやすい理由:内分泌系の異常による身体所見として、他の内分泌疾患の症状と混同しやすい。混同注意:甲状腺疾患と副腎疾患の症状を混同することが考えられる。
- 2. 甲状腺腫大は、甲状腺機能亢進症や橋本病、ヨウ素欠乏など甲状腺疾患でよく見られる所見です。糖質コルチコイドの過剰分泌によるものではありません。正しくは:甲状腺の腫大は、甲状腺疾患において確認される。選びやすい理由:内分泌腺の異常に関連する症状として、副腎皮質機能亢進症の症状と誤って選択する可能性がある。混同注意:甲状腺ホルモンと糖質コルチコイドの作用部位や病態を混同しやすい。
- 3. 頻脈は、甲状腺機能亢進症や褐色細胞腫、心疾患など様々な原因で生じますが、糖質コルチコイド過剰の直接的な主要身体所見ではありません。正しくは:頻脈は、甲状腺機能亢進症や心臓病などで発現しやすい。選びやすい理由:ストレスホルモンとしての糖質コルチコイドの影響で、交感神経系の賦活を連想し、誤って頻脈を選ぶ可能性がある。混同注意:副腎髄質ホルモン(アドレナリンなど)の作用と糖質コルチコイドの作用を混同する可能性がある。
- 4. 正解。満月様顔貌(moon face)は、クッシング症候群(糖質コルチコイドの長期にわたる過剰分泌)に特徴的な顔貌変化です。脂肪が顔面に沈着することで生じます。正しくは:満月様顔貌はクッシング症候群の典型的な症状である。選びやすい理由:特徴的な見た目の変化であるため、他の症状よりも識別しやすい。混同注意:他の顔貌の変化(例:末端肥大症による顔貌変化)と区別できるか。
国試ポイント
クッシング症候群の主要な身体所見と、他の内分泌疾患(甲状腺機能亢進症など)の症状を鑑別できる知識が問われています。各疾患に特有の症状を正確に把握しておくことが重要です。
混同注意
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状(眼球突出、甲状腺腫大、頻脈など)とクッシング症候群の症状を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
クッシング症候群の症状だけでなく、診断のための検査所見(尿中遊離コルチゾール、血中ACTH、デキサメタゾン抑制試験など)や治療法についても理解を深める必要があります。
関連知識
クッシング症候群では、満月様顔貌の他に、中心性肥満、水牛肩(Buffalo hump)、皮膚の菲薄化、紫斑、皮膚線条(striae)、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、筋力低下、精神症状なども見られます。原因は副腎皮質腫瘍、下垂体腺腫(クッシング病)、異所性ACTH産生腫瘍、または医原性(ステロイド薬の長期使用)があります。