空気感染を予防するための医療者の個人防護具で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
空気感染は、5μm未満の微粒子(飛沫核)が空気中を長時間浮遊し、それを吸入することで感染が成立する経路です。N95マスクは、このような微細な飛沫核を効率よく捕集する性能を持ち、医療従事者が空気感染のリスクのある患者に対応する際に必須の個人防護具とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 手袋は接触感染予防に有効ですが、空気中に浮遊する微粒子による空気感染の予防効果は限定的です。正しくは:接触感染を予防するための防護具である。選びやすい理由:一般的な感染予防具として広く使われるため、選択肢として考慮されやすいが、空気感染には特化しない。混同注意:すべての感染予防に手袋が必要だという誤解から選ばれる可能性がある。
- 2. 正解。N95マスクは、微細な粒子を95%以上捕集できる高性能フィルターを持つマスクであり、空気感染を引き起こす飛沫核(5μm未満の微粒子)の吸入を防ぐために最も適した個人防護具です。結核や麻疹、水痘などの空気感染症対策に必須とされます。
- 3. シューズカバーは、床面の汚染から靴を保護したり、清潔区域への汚染の持ち込みを防ぐ目的で使用されます。空気感染の病原体が足元から侵入することは通常想定されず、空気感染予防具としては適切ではありません。正しくは:床面からの汚染や清潔区域への汚染持ち込みを防ぐための防護具である。選びやすい理由:全身を覆う防護というイメージから、空気感染予防にもつながるかと誤解されることがある。混同注意:滅菌操作や手術室入室時など、特定の状況下で清潔を保つために使用されるが、空気感染とは直接関連しない。
- 4. フェイスシールドは、顔面を飛沫や血液などの体液から保護し、眼や顔面への直接的な付着を防ぐ目的で着用されます。空気感染を引き起こす微細な粒子が顔の側面や下部から侵入するのを防ぐ効果は低く、単独で空気感染予防具として十分ではありません。正しくは:飛沫や血液などの体液から顔面を保護するための防護具である。選びやすい理由:飛沫感染予防には有効であるため、空気感染と混同しやすい。混同注意:マスクと併用することで効果が高まるという知識から、単独で空気感染予防に十分だと誤解されやすい。
国試ポイント
感染経路別の適切な個人防護具の選択は、看護師国家試験で頻出の基本知識です。特に、接触感染、飛沫感染、空気感染の3つの主要な感染経路と、それぞれに推奨される防護具(手袋、サージカルマスク、N95マスク、ガウン、眼の防護具など)を正確に理解しておく必要があります。
混同注意
飛沫感染と空気感染の区別が曖昧だと、サージカルマスクとN95マスクの使い分けを誤りやすいです。飛沫は比較的大きく重いためすぐに落下しますが、飛沫核は小さく軽いため空気中を漂い続けます。
次に同じ論点が出たら
この問題が解ければ、感染経路とそれに応じた個人防護具の基礎知識は身についていると判断できます。さらに、各防護具の適切な着脱方法や、異なる感染経路が複合する場合の防護具の組み合わせについても学習を進めると良いでしょう。
関連知識
空気感染症の代表例として、結核、麻疹、水痘が挙げられます。これらの患者に対応する際には、医療機関のゾーニング(陰圧室など)とN95マスクの着用が重要です。