小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
小腸で吸収された中性脂肪は、体内でカイロミクロンとして再構成され、水に溶けにくいため、直接血液中に入るのではなく、リンパ管に入ります。リンパ管は最終的に胸管に集まり、そこから全身の血液循環へと運ばれます。これに対し、糖質、蛋白質の分解産物、電解質、水溶性ビタミンなどは、主に門脈を通って肝臓に運ばれる経路をとります。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖質は最終的に単糖(ブドウ糖など)として吸収され、門脈を経て肝臓に運ばれます。胸管は経由しません。正しくは:糖質は門脈を通って肝臓に運ばれる。選びやすい理由:一般的な栄養素として主要なため、吸収経路が意識されにくい場合に選ばれる可能性。混同注意:他の主要栄養素である脂質との吸収経路の違い。
- 2. 蛋白質はアミノ酸やジ・トリペプチドとして吸収され、門脈を経て肝臓に運ばれます。胸管は経由しません。正しくは:蛋白質の分解産物は門脈を通って肝臓に運ばれる。選びやすい理由:糖質と同様に主要な栄養素であるため。混同注意:脂質とは異なる水溶性の性質を持つため、吸収経路が異なる。
- 3. ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの電解質は、主に小腸から直接血液(門脈)に吸収されます。胸管は経由しません。正しくは:電解質は門脈を通って肝臓に運ばれる。選びやすい理由:体液バランスに関わる重要な要素であるため、吸収経路を混同しやすい。混同注意:電解質は水溶性であり、脂溶性物質の吸収経路とは異なる。
- 4. 正解。中性脂肪(トリグリセリド)は、小腸で吸収された後、一度分解され、再び体内で再合成されてカイロミクロンというリポタンパク質を形成します。このカイロミクロンはリンパ管に入り、最終的に胸管を通って全身の血液循環へ放出されます。
- 5. 水溶性ビタミンは、小腸から直接血液(門脈)に吸収されます。脂溶性ビタミンと異なり、胸管は経由しません。正しくは:水溶性ビタミンは門脈を通って肝臓に運ばれる。選びやすい理由:ビタミンという括りで脂溶性ビタミンと混同し、脂質と同様の経路と誤解しやすい。混同注意:脂溶性ビタミン(A, D, E, K)は脂質と一緒にカイロミクロンに取り込まれ、胸管を通る。
国試ポイント
三大栄養素(特に脂質)や水溶性・脂溶性ビタミンの消化吸収経路の違いを理解しているか問う問題です。消化器系、栄養学の基礎知識として重要です。
混同注意
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの吸収経路、および三大栄養素それぞれの吸収経路の違いが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各栄養素が水溶性か脂溶性か、そしてそれが門脈系かリンパ系(胸管)のどちらを経由するかを確認します。
関連知識
カイロミクロン、門脈、リンパ管、脂溶性ビタミン(A,D,E,K)、水溶性ビタミン、三大栄養素の消化吸収過程。